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【M&Aのスキーム】企業合併によるM&A

M&Aの代表的なスキームに「合併」があります。
合併は、組織再編の方法のひとつで、複数の企業が1つの法人格に経営統合されることです。
したがって、法人格が残る企業(存続会社)以外は、法人格が消滅するという特徴があります。

今回は、同じM&Aでも、対象企業を子会社化する「買収」とは異なる合併について、概要、メリット・デメリット、統合をスムーズに成功させるためのポイントをまとめました。

合併とは

【M&Aのスキーム】企業合併によるM&A

合併には、以下の2種類があります。それぞれの概要・違いを確認しましょう。

1.吸収合併

既存の複数の企業を、1つの法人格に経営統合する合併を「吸収合併」といいます。
その際、合併する企業数に規定はないため、理論的には2社以上の何社でも合併が可能です。

法人格の経営統合についてもう少し具体的にいうと、合併に加わった企業それぞれが持つ資産、権利義務、人材、組織、許認可など全てを、存続会社が包括承継することになります。

また、「買収」との違いとして、合併では存続会社の株式を対価とすることが可能です。
なお、法人格が消滅する企業(消滅会社)は、合併の際に解散登記の手続きをします。

2.新設合併

合併のために新設された企業が存続会社となる場合、これを「新設合併」といいます。
消滅会社の持つ全てを包括承継する点は吸収合併と変わりません。ただし、新設企業であることから、以下の3点が吸収合併と異なります。

  • 消滅会社が上場企業だった場合、その立場は承継できない(新たに上場申請が必要)
  • 許認可は引き継げない(新たに取得手続きが必要)
  • 登録免許税額が吸収合併よりも高い

以上のことから、実際のところM&Aの現場で新設合併が用いられるのはごく稀です。

企業合併をするメリット

【M&Aのスキーム】企業合併によるM&A

ここでは合併のメリットとして、以下の5点を説明します。

メリット.1 シナジー効果が期待できる

シナジー効果(相乗効果)とは、1+1が2以上の結果をもたらすことです。

合併の場合、単に売上高が足し算で増えるだけでなく、ノウハウや技術の共有・融合によって、それ以上に売上が伸びたり、スケールメリットによるコスト削減効果で利益率が向上したりなどの成果が期待できます。

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メリット.2 株価上昇などの利益を得られる

合併による存続会社が上場企業の場合、合併による経営統合結果に好意・期待が集まれば、株価が上昇する可能性があります。

これにより、既存株主および合併の対価として存続会社の株式交付を受けた株主は、株式価値が上がり利益を享受できるのです。

メリット.3 買い手側の資金が不要

存続会社は、対価として自社株式を使えるため資金調達がいりません。

株式譲渡や事業譲渡などの買収では、多額の現金が必要です。しかし、そのような資金準備が不要な合併は、実施しやすいM&Aスキームと言えるでしょう。

メリット.4 低コストで事業の拡大が可能

合併における存続会社は、消滅会社が長い期間をかけて築いてきた技術・ノウハウ・販売網・顧客・取引先などを、資産や人材と共に承継します。

手間・時間を省略し、低コストでそれらを一挙に獲得して事業拡大できるのは、大きなメリットです。

メリット.5 権利義務・資産を継承できる

消滅会社の持つ全てを、存続会社は包括承継できます。これを、M&Aの別スキームである事業譲渡で売り手の事業を取り込むケースと比較してみましょう。

事業譲渡では、取引先との契約や従業員との労働契約など全て個別に締結し直す必要があります。
しかし、合併は包括承継であるため、そのような手間が発生しません。

企業合併によるデメリット

【M&Aのスキーム】企業合併によるM&A

メリットがある反面、合併には以下のようなデメリットがあることも忘れてはいけません。

デメリット.1 他のM&Aスキームよりも手続きが煩雑

合併は、会社法に規定が存在するため、それに則った手続きを踏む必要があります。

一方、株式譲渡や事業譲渡には規定が存在しないため、合併よりも手続きが少なくてすむのです。
具体的に、合併で必要な手続きには以下のようなものがあります。

  • 株主総会の特別決議
  • 債権者保護手続き
  • 合併に関する開示書類の備え置き(事前・事後の2回)

デメリット.2 場合によって株価が下落する可能性がある

合併の対価として新株を発行すれば、1株あたりの株式価値は低下する可能性があります。
また、株主構成も変化しますから、それに嫌気を持つ既存株主がいるかもしれません。

存続会社が上場企業であれば、このようなケースでは株式が売られる可能性があり、その場合、株価は下落します。
株価が上がる可能性がある一方で、株価が下落するリスクもあるのです。

デメリット.3 統合プロセスには多大な労力と時間がかかる

売り手企業が独立したままの存在である買収・子会社化と比べ、組織内に消滅会社の全てを取り込む合併の場合、PMI(Post Merger Integration=経営統合プロセス)には多大な労力と時間が伴います。

PMIでは、組織・社風などの融合、業務・管理・経理・ITシステムや人事制度などの統合を行う必要があり、現場には大きな負担です。

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合併がスムーズに行えるようあらかじめ対策を!

【M&Aのスキーム】企業合併によるM&A

合併を成功させ、さまざまなメリットを享受するには、有効なPMIの実施が欠かせません。
そのためには、入念な準備=十分に練りこまれたPMI計画の策定が必要になります。

PMI計画策定のポイントは以下のとおりです。

  • DD(Due Diligence=デューデリジェンス=買収監査)開始時期にPMI計画策定プロジェクトを立ち上げる。
  • DDでは、PMI計画策定に必要な各種規定・制度・システムなどの情報収集も行う。
  • 労務面のDDには社会保険労務士を起用する。
  • DDと並行してPMI計画策定に着手する。
  • PMI計画策定のタイムリミットは、クロージング(合併契約の履行=合併効力発生日)前までであることをメンバーは肝に銘じる。

また、合併は包括承継であるため、消滅会社が偶発債務などの簿外債務や訴訟リスクなどを有していた場合、合併後、存続会社の経営に多大な悪影響を及ぼすかもしれません。

このリスクを極力、回避するにはデューデリジェンス(DD)において徹底的に経営リスクの洗い出しを行います。
デューデリジェンスでリスクが発覚した場合、合併までにその問題が解消されるよう、消滅会社側が対応しましょう。

M&A Stationでお手軽・安心の総合デューデリ

デューデリは「依頼先探し」が重要です

M&Aを成功させるための要点のひとつに「デューデリジェンス」が挙げられます。
買収対象企業の分析・評価のために実行されるもので、ここでリスクを見落としてしまうと後々取り返しがつかない危険性があります。

ただ、調査項目は多岐に渡り高度な専門知識が必要とされ、いざ必要な場面でどこに依頼すればいいか分からない方も少なくないでしょう。
多くのM&A仲介会社の業務範囲は、文字どおり「仲介」まで。デューデリジェンスに関しては、改めて依頼先を探さなければいけません。

M&A Stationを運営する「税理士法人Bricks&UK」では、グループとして税理士、社会保険労務士、司法書士、M&Aアドバイザーが在籍しており、本来であれば個別に依頼が必要なデューデリジェンスもワンストップ対応が可能です。

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まとめ~企業合併の際もBricks&UKはお役に立ちます!~

【M&Aのスキーム】企業合併によるM&A

合併の成否は、デューデリジェンスとPMI次第です。
したがって、合併の場合に起用するM&A仲介会社には、単に仲介業務を行うだけでなく、デューデリジェンスとPMIにも精通していることが求められます。

税理士法人Bricks&UK」が運営するM&A Stationには、M&Aに関する豊富な知識と経験を有するアドバイザーが多数、在籍しています。
さらに、Bricks&UKグループには税理士、社会保険労務士、司法書士などが数多く在籍し、グループ全体でM&A・DD・PMIを総合的にサポートする万全の体制です。

M&A Stationでは、随時、無料相談をお受けしています。M&A・合併をご検討されている場合には、いつでもお気軽にお問い合わせください。

アドバイザーの西井

この記事の監修M&Aアドバイザー 西井 康輔

税理士法人Bricks&UKにて、会社設立や創業融資などスタートアップの支援を数多く担当。
M&A Stationでは総合的なM&Aのサポートに従事。
業種を問わず幅広くM&A戦略の策定、事業承継についてアドバイスを行っている。

買収した後もBricks&UKはお役に立ちます!

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近年、M&Aが活発化してきたことに伴い、M&A仲介会社の数も大きく増大しました。
しかしながら、多くのM&A仲介会社の業務範囲は、文字どおり「仲介」までであり、M&A成立後のPMIに対するサポートサービスを提供している会社は少ないのが実情です。

M&A Stationを運営する「税理士法人Bricks&UK」では、グループとして税理士、社会保険労務士、司法書士、M&Aアドバイザーが在籍しています。
買収後の難問であるPMIについても、それら各専門家スタッフによる総力を挙げたお力添えが可能です。

M&Aで買収を検討される際には、買収後のPMIサポートも万全であるM&A Stationまで、お気軽にお問い合わせください。
電話、お問い合わせフォーム、また、LINEからのお問い合わせも可能となっております。

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