M&Aにおける融資を徹底解説!PBRやEBITDAについても確認
2023.10.18
2023.10.18
他社の買収などM&Aでは多額の資金がかかります。手元の資金だけでM&Aを実行するのはあまり現実とは言えず、資金調達について考えている人も多いのではないでしょうか。
資金調達にはいくつか方法がありますが、本記事では主に「融資」について説明します。
投資や融資で活用される指標のPBR、EBITDAについても見ていきましょう。
ぜひ参考にしてください。
Contents
M&Aを行う場合、多額の資金が必要です。買収資金はもちろん、納税のためのお金も用意しなくてはなりません。
手元の資金で足りない場合、外部から資金調達する必要があります。
資金調達には以下の2つの方法があります。それぞれ紹介していきます。
直接金融とは、金融機関などを介さずに直接投資家から資金調達する方法を指します。
主に以下の3種類にわかれます。
預金者から金融機関がお金を借りて、必要な人(企業)に融資する方法です。
正確には直接金融に対して間接金融と言います。
企業は資金を出している預金者が誰かわかりません。
また預金者も、預けたお金を誰に貸しているかわからない仕組みになっています。
そのため、円滑な融資が可能です。預金者がリスクを負担しなくて済むのも特徴でしょう。
万が一融資先の企業が倒産しても、金融機関が保証してくれます。
なお、金融機関には主に以下が該当します。
M&Aの資金調達には直接金融と融資があるのは前述したとおりです。
次に、融資に焦点をあててメリットを紹介します。融資には以下のメリットがあります。
融資では、各金融機関の一定の審査基準さえ満たせば融資を受けることができます。
資金を提供する見返りとしてキャピタルゲインを獲得することを目的とする投資家からの増資より、資金調達しやすいと言えます。受けた融資でM&Aが実行できます。
増資による資金調達を行うと、経営者の持株比率が低下することになります。
場合によっては、過半数である51%未満になってしまうかもしれません。
持株率が50%以下になると、株主総会において自らの議決権のみで役員を選任することができなくなります。
代表の地位が維持できなくなる可能性もあるでしょう。融資なら、経営権に影響する心配がありません。
一般的に融資の金利は、会社の信用力が高いほど低くなります。
財務状況が良かったり会社規模が大きかったりと信用力があれば、低金利で融資を受けることができるでしょう。
M&Aの資金を融資で調達しようと考えている人に向けて、審査に通りやすくなるポイントを紹介します。
以下のポイントがあります。
融資の審査の際に必要な書類には、3期分の決算書や事業計画書などが該当します。
事業計画書では、もちろん財務関連の箇所が重要です。しかし数字ばかりでなく、買収後に事業がどのように成長するか、どれだけのシナジー効果が見込まれるかも盛り込んでおきましょう。
一見すると数字のプロである銀行では、いま目の前にある実績以外は重視しなさそうに思われるかもしれません。
しかし、実はこういった将来性も融資の判断において重視されます。気を抜かず、細かく記載しておきましょう。
多くの場合、M&Aが目的の融資は審査が厳しくなる傾向にあります。
これまで取引のない銀行に相談するとなると、審査は一層厳しくなるでしょう。融資実績や信用を積み重ねておくことが重要です。
また、融資担当者と良好なコミュニケーションを築いておくのもいいでしょう。
コミュニケーションを取るなかで説得力ある説明ができれば、融資を受けられる可能性が高くなります。
融資や増資は、さまざま指標から実施を判断します。具体的な指標として、PBRとEBITDAについて説明します。
PBR(Price Book-Value Ratio)とは「株価純資産倍率」とも呼ばれるもので、企業の株価と純資産の比率を示す指標です。株価が割安か割高かを判断することが可能です。
PBRが1倍を上回ると株価が純資産に比べて高く評価されており割高となり、反対に1倍を下回れば株価は割安と考えられます。
一般的にPBRが1倍を下回るなら、前向きに投資を検討すべきと言われています。
ただし、必ずしも1倍が目安とは言い切れません。業種や会社の成長段階によっても目安は変わってきます。
例えば、創業間もない会社はPBRが高くなる傾向にあります。
初期はどうしても借入が多くなるもの。そのため負債比率が高まり、純資産比率が低くなってしまうことがあります。
PBRの計算式も確認しておきましょう。以下のとおりです。
PBR=株価÷1株あたり純資産
なお、1株あたり純資産は、負債などが関係しない純資産を発行済株式総数で割ったものです。
計算式にすると、「1株あたり純資産=純資産÷発行済株式総数」になります。
前述したPERは、投資家が投資を判断する上で多く使われる傾向にあります。
一方で、企業価値評価の指標の1つであるEBITDAは、主に金融機関が融資を判断するために使用されます。
さまざまな読み方があり、「イービッタ」「エビーダ」「イービットディーエー」などと呼ばれます。
利払い前・税引前利益、減価償却の和で求められる利益のことで、以下のような計算式で求めることが可能です。
上記のように、EBITDAの計算式にはいくつかのパターンがあります。
しかし一番シンプルな「EBITDA=営業利益+減価償却費」で十分求められますから、この式を覚えてもらうといいでしょう。
金融機関が融資する場合、7~10年で返済されることを想定するのが一般的です。
そこでEBITDも7~10以外に収まることが目安になります。
今回はM&Aにおける融資について説明してきました。
記事内で融資を受けやすくするポイントを紹介しましたが、よりスムーズに資金調達するために専門家にサポートを依頼するのもいいでしょう。
M&A仲介会社なら、買収の一連についても合わせてアドバイスがもらえます。
しかし専門家といっても得意分野はさまざまなので、依頼には注意が必要です。
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この記事の監修M&Aシニアアドバイザー 齊藤 宏介
税理士法人Bricks&UKにて、税務・会計の豊富な経験から事業者の良きパートナーとして活躍。
M&A Stationではアドバイザーの中心的存在として、様々な業種の会社へのM&Aアドバイザリー業務を取り仕切る。
中小企業のM&Aでは、多くは「株式譲渡」または「事業譲渡」により実施されます。
M&Aで必要な資金というと、株式・事業譲渡の対価のための資金が頭に浮かびますが、実際にはM&Aを行う際に必要な資金は多岐に渡ります。
【M&Aで必要になる費用】
買い手側はもちろん、意外に見落としがちですが売り手側に費用が発生する場合もあります。
近年は中小企業の事業承継の必要性から、M&Aや資金調達の動きが活発になっています。
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