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【M&A最新動向】飲食業界はM&Aでの業界再編が加速

2020(令和2)年から続くコロナ禍の中、最も厳しい影響を受けている業界の1つとされるのが飲食業界です。
長引く営業短縮や外出自粛で売上が保てずやむなく廃業・閉店する飲食店も多い中、一見するとM&Aとは無縁のように思えますが実際のところはどうなんでしょうか。

本記事では、現在、飲食業界のM&A動向がどうなっているのか分析すると共に、飲食業界の基本情報や、M&Aをした際のメリット、注意点などについて解説します。

飲食業界の基本的な特徴

まず、飲食業界には主として3点の特徴が挙げられます。

出店が多い分、閉店も多く競合が厳しい

一般社団法人日本フードサービス協会(以下、JF)の調査によると、2019(令和元)年の日本の外食産業の市場規模は約26兆439億円、そこで働く従業員は約500万人でした。
これだけ巨大な市場であり、飲食店はごく身近な存在とも言えます。

また、飲食業界は比較的、参入障壁が低いとされる業界でもあります。
毎年、数多くの新規店舗が開店がおり、業界内の競争は激しく、その結果、新規参入・出店者数に匹敵するレベルの数の撤退・閉店者が出ているのも事実です。

薄利多売のビジネスモデルで利益確保が難しい

飲食業界では競合相手が多いことから、一部の高級店を除いて価格競争に巻き込まれる傾向があります。
また仕入原価、人件費、賃料、水道光熱費など固定費が大きく、食品ロスなど、ビジネスモデルは薄利多売になりがちです。

一般に飲食店の利益率の目標値は10%~15%と言われますが、経済産業省の報告では飲食店全体の営業利益率は平均で8.6%となっており、利益確保の難しさを物語っています。

よく耳にする話としては、それなりに客数が入っている飲食店でありながらも、客単価または利益率が高くないために、十分な利益確保に苦労しているという店が少なくありません。

慢性的な人手不足

飲食業界に限ったことではありませんが、少子化による人口減少が続く日本では、どの業界も人手不足に悩んでいます。

特に、飲食業界の場合は、ほかの業界に比べてパートやアルバイトの比率が高く、その多くは学生が主体です。
つまり、少子化の影響を直接的に受ける年齢層に支えられてきた飲食業界は、現在、ほかの業界以上に労働者の供給不足によるダメージを受けています。

飲食業界におけるM&Aの動向

JFの資料「外食産業市場動向調査2020年」によると、飲食業界の業態別の前年比動向は下表のようになっています。
なお、この調査はJFの会員約800社に限った調査です。

2020年の外食産業前年比売上高店舗数
全体84.9%98.2%
ファーストフード96.3%98.9%
ファミリーレストラン77.6%98.6%
パブレストラン・居酒屋50.5%92.7%
ディナーレストラン64.3%95.4%
喫茶69.0%98.7%
その他78.9%92.6%

2020年はコロナ禍の直撃を受け、飲食業界全体として業績も店舗数も下がってしまいました。
しかしながら、店舗数の前年比が全体で98.2%ということは、廃業・閉店した飲食店がある一方で、その後釜として出店、あるいはM&Aで参入する飲食店も少なくないことを示しています。

コロナ禍を背景にM&Aによる業界再編が加速傾向

【M&A最新動向】飲食業界はM&Aでの業界再編が加速

前章の表でも明らかなとおり、2020年の飲食業界の中では、酒類を提供する業態の飲食店の売上減は顕著です。
政府や自治体の補助金や助成金が必ずしも十分とは言えず、資金的に厳しくなった飲食店は、やむを得ず閉店しました。

同様に、大手企業の場合、本業が飲食業以外であるケースでは、ノンコア事業である飲食事業を売却し撤退しています。
また、撤退・閉店せずに何とか踏みとどまっている飲食店の中にも、すでにぎりぎりの状態まで追い詰められている店も多数あるのが実情です。

このような事業環境の悪化とそれに伴う資金難という状況下において、それを改善する手段、あるいは業態を転換するための資金や手立てを得る手段として、むしろ積極的にM&Aが広く用いられ飲食業界再編という結果をもたらしつつあるのです。

その実例として、直近に行われた飲食業界・上場企業のM&A案件を以下に掲示します。

  • 2021(令和3)年9月、明治屋グループのメデイが日新商事から「ケンタッキーフライドチキン」8店の運営事業を譲受
  • 2021年9月、GFAが黒沼畜産から焼肉店「まっしぐら」を譲受
  • 2021年8月、WDI(「ハードロックカフェ」などを展開)が老舗すき焼きブランド「ちんや」の事業を承継
  • 2021年7月、ガイアックスがGRC(ゴーストレストランを運営)と資本業務提携で合意
  • 2021年7月、小僧寿しがTlanseair(「とり鉄」、「とりでん」などを展開)の株式取得
  • 2021年1月、木曽路(しゃぶしゃぶ店などを展開)が大将軍(焼肉店などを展開)の全株式取得
  • 2020年12月、壱番屋(「カレーハウス CoCo壱番屋」などを展開)が大黒商事(「ジンギスカン大黒屋」を運営)の全株式取得

飲食店をM&Aするメリット・買い手側編

ここでは、飲食店をM&Aする際のメリットについて、買い手・売り手それぞれの立場から考察します。

まずは、飲食店のM&Aにおける買い手側の主なメリットは、以下の4点です。

  • 他業種からの新規参入も可能
  • 優秀な人材を獲得できる
  • 事業基盤の拡大によりスケールメリットを享受できる
  • 短期間で利益を上げられる

他業種からの新規参入も可能

飲食業界の参入障壁は、決して高くはないと言えます。
ただ、飲食店を開業するためには、店舗にかかる初期費用や設備投資など多額の開業資金を必要とします。
また、人材・運営ノウハウ・仕入れルート・顧客など全てをゼロから準備して開店にこぎ着け、さらに店を繁盛させるのは簡単なことではありません。

M&Aで飲食店を取得すれば、必要な準備の大半は入手できます。
したがって、異業種からの新規参入の場合でも、ある程度の成算の見込みを持って飲食業を始められるのです。

優秀な人材を獲得できる

飲食業界は慢性的な人手不足状態であることはすでに前述しました。
その解決策としてのメリットも、M&Aにはあります。

M&Aの買い手がすでに飲食店を運営している場合、ほかの飲食店を買収することによって、人材を新たに獲得できます。
獲得した人材はすでに一定の業務経験を積んでいるので、M&Aによって高いオペレーション能力を持った即戦力を、ある程度の人数まとめて取得できるのです。

事業基盤の拡大によりスケールメリットを享受できる

M&Aによる事業基盤拡大では、スケールメリット(=規模の経済)効果が得られます。

飲食業界の場合にまず考えられるのが、複数店舗分をまとめて食材の仕入れを行うことで、仕入れ値(原価)の割引効果が期待できます。
什器や備品類も一括購入することで安く入手できるでしょう。

また、複数の同一形態の飲食店を、姉妹店やチェーン店として運営するのであれば知名度が向上します。
知名度の向上は、最終的にはブランド力にもなり得るものです。

短期間で利益を上げられる

M&Aで既存の飲食店を買収する場合、営業成績を確認し経営が順調な店を選ぶはずです。
買収後、飲食店の運営形態やオペレーションの変更を行わないならば、その飲食店は株主・オーナーの交代に関係なく営業を継続できます。

つまり、飲食店の買収後に特段の問題が発生しなければ、買い手はM&A直後から、すぐに利益を手にできるのです。

飲食店をM&Aするメリット・売り手側側編

次に、飲食店のM&Aにおける売り手側のメリットを見てみましょう。
考えられる主なメリットは以下の3点です。

  • 後継者問題が解消する
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 安定的・効率的な事業経営ができる

後継者問題が解消する

日本の中小企業全体の課題として、後継者不在により事業承継が困難になっている会社が多いという問題があります。
それは飲食業界・各飲食店でも変わりありません。

M&Aは、その解決手段として有効な対策になります。
飲食店を売却することにより、その買い手が新たなオーナー・株主(後継者)となり、事業承継が実現するのです。

従業員の雇用を維持できる

後継者不在のまま経営者が引退することになれば、飲食店は閉店・廃業するしかありません。
その場合、従業員は皆、解雇となり路頭に迷うことになります。
苦楽を共にし、これまで飲食店を支えてくれた従業員に対し、経営者としては、その事態だけは避けたいでしょう。

そこで、M&Aで飲食店を売却すれば事業は承継され、飲食店は継続して運営されていきますから、従業員の雇用も維持することができます。

安定的・効率的な事業経営ができる

M&Aによる飲食店の売却先が大手企業の場合、今後の飲食店の安定的・効率的な経営ができるようになります。

1つには、大手企業傘下として資金的な余裕が生まれるため、極端な価格競争とは一線を画し、安定した運営に転換することが可能です。

2つ目としては、大手企業傘下にほかにも多数の飲食店があるなら、食材や備品の一括仕入れによりコストダウンが図られ、利益率が上がるでしょう。
その結果、M&A以前よりも飲食店の業績向上が見込めます。

飲食業界のM&Aで注意するポイント

飲食店のM&Aにおいて、買い手側の視点で注意すべきポイントを解説します。

売買の適正価格を理解する

これは買い手だけでなく売り手にもポイントとなることですが、飲食店を売買する場合の適正価格、いわゆる相場を知ってからM&Aに臨むべきです。
単に自身の希望的観測で、売り値や買い値を思い描いてM&Aの交渉に向かっても、恐らく条件はまとまらないでしょう。

一般に、M&Aの際の概略的相場の計算方法としては、時価純資産額に直近の年間営業利益の3~5倍の数値を加えた額とされています。

最も確実な方法としては、M&Aのサポートを依頼する専門業者に、正式に評価額を算出してもらうとよいでしょう。

店舗周辺の立地条件、商圏人口など周囲の環境をよく把握する

飲食店は、立地条件によって経営成績が大きく変わります。
つまり、近隣の商圏から見込める顧客を適正にマーケティングした上で、買収対象の飲食店を評価しなければなりません。

また、その際には、同じ立地条件にある競合店の数・密集度なども合わせて考える必要があります。

メニューは顧客を満足させるものか、優位性はあるか

飲食店を評価するのに良い方法の1つは、実際に客としてその飲食店を訪れることです。

客の視点で接してみることで、メニューの構成・料金設定・客層・従業員の対応力などの適性がわかります。
合わせて、口コミなどを参考にしてもいいでしょう。

周辺のライバル店と比較し、何らかの優位性を持っている飲食店かどうかという考察も加えて評価を出すべきです。

店舗運営が属人的ではなくマニュアル化されているか

個人経営の飲食店では、職人的なオーナーシェフの技量が強みであったり、オーナーがホールを一切、取り仕切っているケースも珍しくありません。
そのように店舗運営が属人的な飲食店の場合、M&A後にオーナーが店から去れば、客離れを起こし営業成績が落ちるのは明らかです。

したがって、飲食店を評価するにあたっては、可能な限りの運営オペレーションがマニュアル化されており、買収成立後も変わらず運営が可能かどうかも判断材料に加えましょう。

希望条件を明確化し、デューデリジェンスをしっかり行う

良さそうな飲食店であっても、すぐに買収を決めてしまうのは禁物です。
M&Aでは、買収後の経営上のリスクを必ず勘案しなければなりません。

そのためにも、まずは、買収する際の希望条件を明確にしておくこで安易な買収に歯止めをかけられます。そして、買収を正式に決める前には、一般のM&Aと同様に、しっかりとデューデリジェンス(買収企業に行う精密な調査)を行って、対象の飲食店を評価しましょう。

仮に買収対象が1店舗の飲食店であったとしても、デューデリジェンスは必要です。

まとめ

【M&A最新動向】飲食業界はM&Aでの業界再編が加速

コロナ禍がまだまだ継続していくとしても、飲食業界自体がなくなることはあり得ません。
飲食業界には、さまざまな業態がありますが、時代の状況に応じて、これからも新たな業態が登場し継続されていくでしょう。

そのような多数の業態があふれる飲食業界のM&Aを検討する際には、飲食業界に精通し、総合的なM&Aサポートができる専門業者に相談することが、適切なM&Aの実現に直結します。

M&A StationおよびBricks&UKグループには、飲食業界のM&Aに豊富な知識と経験を有するM&Aアドバイザーだけでなく、公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士なども数多く在籍しています。

デューデリジェンスなどへの対応を含め、総合的にM&Aをサポートする体制が備わっているのがM&A Stationです。
進行中のM&A案件に関するセカンドオピニオンも承っております。
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