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経営革新を目指して事業承継・引継ぎ補助金を活用するには?

わが国の9割以上の会社は中小企業ですが、少子高齢化による労働力不足と同時に後継者の不在に悩んでいる中小企業の経営者も少なくないものと思われます。

こうした経営者をサポートすることを目的に、地域における大切な経営リソースを維持しながら次の世代に継承するために、事業承継や引継ぎをサポートする補助事業が行われています。

本記事では、これまでの事業承継補助金と経営資源引継ぎ補助金とが一体となった事業承継・引継ぎ補助金に関して解説します。

昨今の後継者不足問題を抱える中小企業

平成30年の年頭所感において安藤久佳中小企業庁長官(当時)は、日本の経済を支える中小企業などのスムーズな事業承継に向けて集中的な支援を実施すると表明しました。

これからの10年間で、平均引退年齢である70歳を超えている中小企業などの経営者は、約245万人に達することとなり、その内のほぼ半数にあたる127万人(日本企業全体の1/3に相当)の後継者が決まっていません。
このような状況を放っておくと、中小企業や小規模事業者の廃業が急増することになり、2025年頃までの10年間で、累計約650万人の雇用や約22兆円のGDPを失ってしまうおそれがあるのです。

したがって、後継者不在の状況に早く経営者が気付くことを促すとともに、後継者とのマッチング、事業承継、第二創業、に至るまで、今後10年間のシームレスな(切れ目のない)サポートを集中して実施する、としています。

事業承継・引継ぎ補助金について

事業承継・引継ぎ補助金の要点と目的

事業承継・引継ぎ補助金とは、中小企業などの事業承継・引継ぎ(含む、事業再編や事業統合など)をきっかけとする新しい取り組みや廃業に必要となる費用を一部補助するだけでなく、事業再編や事業統合による経営リソースの継承・引継ぎに必要な経費も一部補助する事業を実施することで、中小企業の新陳代謝のスピードを加速して、日本の経済活性化を図ることが目的です。

経営革新タイプ

事業承継・引継ぎ補助金には、経営革新タイプと専門家活用タイプの2つがあります。

経営革新タイプとは、補助率は2/3、補助上限の金額は400~800万円(上乗せ金額は200万円)という補助金になります。
経営革新タイプは、M&Aや事業承継をきっかけにした、事業再構築、設備投資、販路開拓、などの経営革新に対するチャレンジに必要な費用を補助する制度であり、3つの型(創業支援型、経営者交代型、M&A型)に大別されます。

補助の対象となる費用としては、設備投資にかかる費用、人件費、事務所や店舗の改装・改築工事にかかる費用、などを挙げることができます。

専門家活用タイプ

専門家活用タイプとは、補助率は2/3、補助上限の金額は400万円(上乗せ金額は200万円)という補助金になります。

専門家活用タイプは、M&Aを活用した経営李シースの承継をサポートする目的で、M&Aに関する専門家などの活動費用を補助する制度で、補助対象となる費用としては、M&Aをサポートする業者に対して支払う手数料やデューデリジェンスに必要となる専門家に対して支払う費用、などを挙げることができます。

要チェック!対象は事業承継の類型による

経営革新を目指して事業承継・引継ぎ補助金を活用するには?

経営革新タイプの事業承継・引継ぎ補助金を活用する場合には、創業支援型(Ⅰ型)、経営者交代型(Ⅱ型)、M&A型(Ⅲ型)の3つの類型に大別することができます。

創業支援型(Ⅰ型)

創業支援型(Ⅰ型)とは、廃業を考えている経営者などから有機的に一体として機能する経営リソースを承継・創業してまだ間もないような中小企業などの経営者であって、下記のような要件を充足していることが要件になっています。

  • 創業をきっかけに、継承した経営リソースを利用して経営の革新などに取り組む者
  • 認定市区町村あるいは認定連携創業支援事業者(産業競争力強化法に基づいて認定される)から特定創業支援事業として認定を受けた者などのように一定のナレッジや経験を保有している者

具体例としては、

青森県青森市における2013年度からスタートした産学金官連携による起業・創業支援
宮城県丸森町における2015年にスタートした自治体と民間事業者が強力なタッグを組んで起業家を徹底的に支援
石川県七尾市における2014年から始まった一体的に地域の創業支援事業者と連携した「ななお創業応援カルテット

などの取り組みを挙げることができます。

経営者交代型(Ⅱ型)

経営者交代型(Ⅱ型)とは、事業承継(含む、事業再生も同時に実施するもの)を実施する中小企業などの経営者で、下記のような要件を充足していることが要件になっています。

  • 事業承継をきっかけとして経営の革新などに取り組む者
  • 認定市区町村あるいは認定連携創業支援事業者(産業競争力強化法に基づいて認定される)から特定創業支援事業として認定を受けた者などのように一定のナレッジや経験を保有している者
  • 地域における雇用をはじめとして地域の経済全般を引っ張っていくことが可能な事業の創業をきっかけとして継承した経営リソース利用して経営の革新などに取り組む者

具体例としては、株式会社KYOZUKE(京都府亀岡市)による2019年から取り組んでいる有機JAS認定を受けた京漬物の国内・海外への展開

(出典:中小企業庁作成資料「株式会社KYOZUKE-有機JAS認定を受けた京漬物の国内、海外への展開

株式会社粋屋やす井(滋賀県彦根市)による2019年にスタートしたレベニューマネジメントに基づくMICE誘致などのニーズ深耕施策

(出典:中小企業庁作成資料「株式会社粋屋やす井-レベニューマネジメントに基づくMICE誘致等のニーズ深耕施策

などの取り組みを挙げることができます。

ただし、経営者交代型(Ⅱ型)を利用した承継者が法人のケースで、事業譲渡や株式譲渡といった方法を利用するような承継では、原則として、補助金制度の対象にはならない、となっている点には注意が必要です。

M&A型(Ⅲ型)

M&A型(Ⅲ型)とは、事業再編や事業統合などを実施する中小企業の経営者で、下記のような要件を充足していることが要件になっています。

  • 事業再編や事業統合などをきっかけとして経営の革新などに取り組む者
  • 認定市区町村あるいは認定連携創業支援事業者(産業競争力強化法に基づいて認定される)から特定創業支援事業として認定を受けた者などのように一定のナレッジや経験を保有している者
  • 地域における雇用をはじめとして地域の経済全般を引っ張っていくことが可能な事業の創業をきっかけとして継承した経営リソース利用して経営の革新などに取り組む者

なお、M&A型(Ⅲ型)の公募要領は2021年6月9日に公表されたばかりなので、具体例はまだありません。

どのような事業が補助の対象となるか

補助対象になる取り組みとは

事業承継・引継ぎ補助金制度の対象となる取り組みとは、旧経営者から経営リソースを承継して新たに創業したり、経営者が交代したことによる事業の承継後に新たな施策を実行したり、M&A(事業の再編や統合)の実施後に新たな経営施策をしたり、するような取り組みが対象になります。

補助対象事業について

事業承継・引継ぎ補助金制度の対象事業は、創業支援型(Ⅰ型)の場合は、

  • 新たな商品の開発や生産・新たなサービスの開発や提供
  • 商品の生産あるいは販売の新しい方式導入
  • サービス提供の新たな方式導入
  • 事業を転換したことによる新たな分野への進出
  • 上記以外で、その他の新しいビジネス活動による販路の拡大、新たなマーケットの開拓、生産性の向上、などのビジネス活性化へ繋がる取り組み

などの事業(なお、認定経営革新等支援機関が記名したる確認書で確認されていること、が必要)を挙げることができます。

経営者交代型(Ⅱ型)またはM&A(Ⅲ型)で申請する場合の要件

経営者交代型(Ⅱ型)またはM&A(Ⅲ型)で補助金を申請する場合には、新事業の展開などの要件と生産性向上に関する要件がそれぞれあります。

■要件.1 新事業展開等要件

新事業展開等要件とは、

  • 新たな商品の開発、あるいは生産
  • 新たなサービスの開発、あるいは提供
  • ビジネスの転換による新たな分野への進出

の内のいずれかの内容を伴ったビジネスプラン(事業計画)であることを指しています。

また、事務局が定める期間に、従業員を1名以上増やす計画になっていること増加させる計画であることも必要です。
なお補助事業の期間内において、直接に補助対象事業に従事する従業員(除く、有期雇用契約)を1名以上雇用したということが確認できないような場合には、補助率(1/2以内)や補助上限の金額(250万円以内)を変更することになります。

■要件.2 生産性向上要件

生産性向上要件とは、事業を引き継ぐ者が2017年4月1日から補助金の交付申請日までの期間内に、この補助事業において補助金を申請するビジネスと同一内容で、先端設備等導入計画、あるいは経営革新計画、のどちらかの認定を受けていることを言います。

上記の新事業展開等要件、もしくはこの生産性向上要件を充足していることが、補助対象事業の資格要件となっています。

補助対象事業で合致しないこと

また、補助対象事業は下記のどれにも合致しないことも必要になります。

  • 公序良俗に反するようなビジネス
  • 公的な正確を帯びた資金の使い道として、社会通念から考えて、不適切だと判断されてしまうようなビジネス(含む、風営法第2条で定められている各営業)
  • 国(含む、独立行政法人)や地方自治体が設置している補助金や助成金を利用するようなビジネス

事業承継・引継ぎの補助金対象となる事業やビジネスはタイプ別に類型化されており、それぞれ補助金申請における要件が細かく定められています。

実際に事業承継・引継ぎ補助金の申請を考える場合には、自社ではどのようなビジネスを運営していて、どのタイプに当てはまるのか、それぞれの制度の申請要件に合致しているのかどうか、といったことをしっかりと事前に検討することが必要になります。

なお、事業承継・引継ぎの補助金の対象となるビジネスを実施する際には、国が実行している補助事業と同じく、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(昭和 30 年 8 月 27 日法律第 179 号)に定められた規定が適用されることになります。

補助対象者となる人と、事業承継の要件について

事業承継・引継ぎの補助金対象者は、創業支援型(Ⅰ型)の場合は、

  • 旧経営者から店舗の経営を引き継いで創業するような者(具体的には、店舗、従業員、販路、顧客、などを一体として引き継いで旧経営者と同じような商売を営むようなケース)
  • 旧経営者から従業員と機械設備を継承して創業する者(具体的には、従業員と機械設備を引き継いで製品の生産・販売を営むようなケース)
  • 旧経営者から販売経路、調達元、顧客基盤、などと製造設備を承継して創業するようなケース(具体的には、卸元、販売先、と製造設備を引き継いで、製品の生産や販売を実施するようなケース)

となります。

経営者交代型(Ⅱ型)の場合は、

  • 経営の経験を有している者(具体的には、対象となる会社の役員として3年以上の経験がある者、他の会社の役員として3年以上の経験がある者、個人事業主として3年以上の経験がある者、ただし、2021年12月31日までに上記の基準年数を超えること、としています)
  • 同じ業種における実務経験などがある者(具体的には、対象となる会社や個人事業に継続して6年以上雇われてビジネスに従事した経験がある者、対象となる会社や個人事業と同様の業種で通算6年以上ビジネスに従事した経験がある者、ただし、2021年12月31日までに上記の基準年数を超えること、としています)
  • 創業や承継に関する研修などを受講した者(対象となる研修などとは、産業競争力強化法で定められた認定特定創業支援等事業、 地域創業促進支援事業(2017年度以降は、潜在的創業者掘り起こし事業)、中小企業大学校の実施する経営者・後継者向けの研修

などを言います、ただし、2017年4月1⽇〜2021年12月31日の間に受講する者を含みます)。

なお、M&A型(Ⅲ型)の補助対象者の主な要件は、上述した経営者交代型(Ⅱ型)の場合と同様です。

事業承継の要件(公募要領を参照ください)

令和2年度第3次補正予算 事業承継・引継ぎ補助金の公募要領(本要領。とする)によると、補助対象事業の事業承継は、2017年4月1日から補助事業期間の終了日、あるいは2021年12月31日、のどちらかの早い期日までに、中小企業の経営者などからビジネスを承継させる者とビジネスを引き継ぐ者との間において M&Aなどを含むビジネスの承継を実施済み、あるいは実施することとし、本要領における事業承継形態に係る区分整理で定める形態(前述した、創業支援型(Ⅰ型)、経営者交代型(Ⅱ型)、M&A型(Ⅲ型)、のこと)を対象とします。

なお、承継者と被承継者との間で実質的に事業承継が実施されていない(例えば、グループ企業内における事業再編、物品や不動産などを保有している事業のみの承継、など)、あるいは承継の前に承継者側がビジネスを運営していた実態が存在しない(M&A型(Ⅲ型)に限る)、と事務局が判断したような場合には対象外になります。

補助対象経費には何が含まれるか?

経営革新を目指して事業承継・引継ぎ補助金を活用するには?

補助対象の経費とは、補助事業の実施に必要なる経費のことで、事務局が必要かつ適切と認定した費用が補助の対象になります。

補助対象経費の基準

補助対象の経費として認めるためには、下記の3つの条件をすべて充足することが必要です。

(1)使用する目的がビジネスの遂行に必要である明らかに特定できるような経費
(2)補助事業の期間内において、契約や発注を実行して支払いを行った経費(被承継者が支払った経費は、原則として、対象外)
(3)補助事業期間の終了後に実績報告において提出するエビデンス(証票)などで支払金額や支払先などを確認できる経費

なお、交付決定日よりも前に契約(契約)をした経費は、原則として、補助対象にはなりません

ただし、経営革新タイプ、専門家活用タイプ、のそれぞれの公募要領がオープンになった日以降の申請の時点で、補助対象となる経費に関する契約や発注を実施しているような場合、あるいは実施する予定があるような場合には、申請する時点で事前着手の届出を申請したうえで事務局の承認を得られれば、事務局が承認した日を補助対象事業の補助事業の開始日とすることが可能です。
さらに、売上原価に相当する、と事務局が判断した経費は補助対象にはなりません。

M&A(事業再編や事業統合)の費用、M&A(事業再編や事業統合)に関する仲介手数料、デューデリジェンスに要する費用、コンサルティングに関する費用、などに充たると事務局が判断した経費も補助対象にはなりません。

補助対象の経費は、原則として、2社以上の相見積もりが必要です。

事業費として認められるもの

補助金の対象となる経費には事業費と廃業費がありますが、事業費とは事業(ビジネス)を行うために必要となる経費のことで、以下のような費目に該当する費用のことをいいます。

  • 人件費
  • 店舗などの借入費
  • 設備費
  • 原材料費
  • 知的財産権などに関する経費
  • 謝礼金
  • 旅費交通費
  • 市場調査費(マーケティング費用)
  • 会場借用費
  • 外注費
  • 委託費
  • 企業概要書の作成費用

廃業費として認められるもの

一方で廃業費とは、事業を廃止するために必要となる費用のことで、以下のような費目に該当する費用のことをいいます。

なお、単独で廃業費を申請することは不可となっており、事業費の上乗せ分として取り扱われることになります。

  • 廃業登記費
  • 在庫処分費
  • 解体や処分にかかる費用
  • 原状回復費
  • 移転や移設の費用(注)

(注)なお、移転や移設の費用は経営者交代型(Ⅱ型)の場合のみ計上が可能です。

経費として認められないもの

以下のような経費については対象外とされており、経費として求められないことには留意する必要があります。

  • 求人広告費
  • 通信運搬費(電話代、切手代、インターネット利用料金、など)、水道光熱費・プリペイドカード、商品券などの金券、割引クーポンが付いているチラシ、など
  • 事務用品、衣類、食器、などの消耗品に類する費用、雑誌などの購読料、新聞代、書籍購入費用(具体的には、宿泊施設や飲食店などで使用する調理器具(鍋や包丁など)、食器・膳・弁当箱、布団・シーツ・カーテン、ユニフォーム、などが挙げられます)
  • 団体などの会費、フランチャイズ契約に伴う加盟料、一括広告費・役職員の能力開発やスキルアップなどのための研修参加に関する費用
  • 売上原価や製造原価の対象となるもの(具体的には、レンタル業におけるレンタル品購入費やメンテナンス・保管費用、商品デザイン、商品パッケージデザイン、商品開発費、など)
  • 飲食、娯楽、接待(含む、ノベルティ代、記念品代、粗品代、など)の費用
  • 自動車などの車両修理費や車検費用
  • 税務申告や決算書作成などのために税理士や公認会計士などに支払う費用や訴訟などのために弁護士に支払う費用
  • 公租公課(消費税や地方消費税など)、各種の保険料
  • 振込手数料、代引き手数料、為替差損、など(なお、金融機関に支払う振込手数料や為替差損などは対象にはなりません。ただし、振込手数料を取引先が負担したようなケースではその金額に相当する値引きがあったものとみなされるので値引き後の金額が補助対象となります)
  • 借入金にかかる支払利息や遅延損害金
  • 明確に他のビジネスと区分することが難しい経費
  • 社会通念上、公的資金の使い道としては不適切な経費
  • 自己消費や利益相反の取引に関する経費

補助上限額、申請などについて

補助上限額

上記でも少し触れましたが、事業承継・引継ぎ補助金の補助上限額や補助率などについて以下に整理して解説します。

■創業支援型

前述したように創業支援型とは、他事業者が保有している経営リソースを承継して創業した事業者が対象となる補助金のことで、補助率は2/3、補助上限額は400万円、上乗せ金額は200万円(廃業を伴う場合)となっています。

■経営者交代型

経営者交代型とは、親族内承継などにより経営リソースを承継した事業者が対象となる補助金のことで、補助率は2/3、補助上限額は400万円、上乗せ金額は200万円(廃業を伴う場合)となっています。

■M&A型

M&A型とは、M&A(株式譲渡や事業譲渡など)によって経営リソースを承継した事業者が対象となる補助金のことで、補助率は2/3、補助上限額は800万円、上乗せ金額は200万円(廃業を伴う場合)、となっています。

申請受付期間について

事業承継・引継ぎ補助金の申請受付期間は、一次公募の期間として、2021年6月11日(金)から2021年7月12日(月)18:00までとされています。

申請スケジュール

上記の申請以降のスケジュールは以下のように設定されています。

交付決定日2021年8月中旬(予定)
事業実施期間交付決定日から2021年12月31日(金)まで
事業完了報告期間交付決定日から2022年1月中旬(予定)まで
交付手続き2022年3月下旬(予定)

一次公募締切後の準備が整い次第、二次公募を実施します。
なお現時点では、2021年7月中旬から2021年8月中旬(予定)、までを二次公募期間とする予定です。

具体的な事業承継・引継ぎ補助金の受け取りまでのステップは、

【経営革新タイプの場合】

■事前準備として

STEP.1 補助対象事業の確認
STEP.2 認定経営革新等支援機関への相談
STEP.3 BizIDプライム(電子申請用システム)の取得

■交付申請として

STEP.4 交付申請
STEP.5 交付決定通知

■事業実施として

STEP.6 補助対象事業実施

■事業完了後

STEP.7 実績報告
STEP.8 確定検査補助金交付

■最後の補助金交付後には

STEP.9 事業化状況報告等

という流れになります。

また、令和2年度 第3次補正予算の対象である事業承継・引継ぎ補助金の申請に関しては、「事業承継・引継ぎ等補助金交付規程」の第4条(交付の申請)に定められた書類を事務局に提出することが必要になります。

なお、事業承継・引継ぎ等補助金交付規程第5条に定めるように電子申請(BizIDプライムを利用)を行うことも可能であり、詳しい電子申請用マニュアルも用意されているので、申請者は是非ご活用下さい。

申請手続きの流れ

事業承継・引継ぎ等補助金の交付申請は前述した「事業承継・引継ぎ等補助金交付規程」のWEBページから、申請様式をダウンロードして必要書類と一緒に、オンラインあるいは郵送で交付申請します。

なお、申請期間はオンラインの場合は2020年7月13日(月)から2020年8月22日(土)19:00まで、郵送の場合は2020年7月13日(月)から2020年8月21日(金)(当日消印有効)までとなっています。

申請に必要な書類は、令和2年度第3次補正予算事業承継・引継ぎ等補助金の資料ダウンロードのページに詳しく掲載されていますが、主要な申請書類としては、

■誓約書

Wordでダウンロード可能で、申請内容に虚偽がないことを誓約するものです。

■必要書類チェックリスト

必要書類チェックリストは1つのエクセル・ファイルに2つのシートという構成になっていて、必要書類チェックリスト(1枚目のシート)には、対象者としてのポジショニング、サポート内容、承継の形態をプルダウン入力すると申請の類型番号が区分されて2枚目のシートに必要となる書類が黄色の網掛部分に自動的に出力されるようになっています。
申請の際に提出書類の漏れがないかどうかを確認するものにもなりますが、事前にそもそもどのような書類が必要になうのか、をチェックすることができるので、自分で準備すべき書類を整理しておきましょう。

■補助金交付申請書

補助金交付申請書はダウンロードする場合、チャート図が細かく枝分かれしていて分かりにくいかもしれませんが、実はどの申請書でも様式は一緒なのでどれをダウンロードしても問題ありません。

ダウンロードした申請書を開くと、必要書類チェックリストと同じような、プルダウン選択型の画面になります。

ここで合うものを入力すると、自動的に類型番号が入力されて、申請書の入力が必要な箇所も自動的に判別してくれます。
入力が必要な部分は水色に網掛けされて、入力が不要な部分は灰色で網掛けされるので、必要な部分を記入します。

申請の検討をするだけでも良いチャンス

これまでは補助金申請の検討だけでも費用が生じてしまい使用しにくいという状況も正直ありました。
しかし、今回の補助金制度に関してはそうしたハードルが低くなっていると考えられるので、ビジネスを選択する幅や可能性が拡大するチャンスになると思料できます。実際の採用可否は分からないものの、多少なりとも可能性があるような場合はチャレンジしてみることをおすすめします。

また、補助金額の枠は申請金額で決定されます。
具体的には、費用概算を240万円として補助率2/3で補助金額を160万円として申請していたにもかかわらず、実際にはトータルで300万円もかかってしまったような場合であっても、補助金額の決定枠は160万円になるので、上限は160万円になってしまうのです。

しかし、もっと細かく試算することで余裕をもって、費用概算を300万円として申請して上限200万円の補助金額枠を確保しておくことにより200万円の補助金額を得ることが可能になります。

反対に、費用の概算は300万円として試算して200万円の補助金額を申請・確保はしたものの、結果的にはトータルで2400万にしかかからなかったケースでは、実際の支給額は140万円になります。
つまり、どちらにしても実際の給付額は、申請時の金額枠を超過するようなことはないので補助金を申請する際は慎重に試算することが重要です。

まとめ

経営革新を目指して事業承継・引継ぎ補助金を活用するには?

事業承継・引継ぎ等補助金では、発生する費用に関しては、原則として、相見積もりが必要になっています。

実際にM&Aの仲介会社によってM&A仲介における料金体系には様々のものがあり、例えば、着手金や中間金が必要になるような場合もあれば、それらは一切無料のような場合もあります。

また、M&Aの成功報酬に関しても、最低報酬金額を数千万の水準に設定しているような会社もあれば反対に数百万円で済んでしまうような会社もあります。
したがって、株式譲渡のケースでは依頼する企業によっては手残りになってしまう部分に大きな差が生じてしまうことが考えられます。

また、事業承継・引継ぎ等補助金の具体的な活用方法にまで踏み込んでアドバイスしてくれるようなM&A仲介会社であれば安心してM&Aを活用した事業承継の案件を依頼することができるでしょう。

そのためにも、なるべく早い段階で検討して、複数のM&A仲介会社に相談してみることをおすすめします。

アドバイザーの西井

この記事の監修M&Aアドバイザー 西井 康輔

税理士法人Bricks&UKにて、会社設立や創業融資などスタートアップの支援を数多く担当。
M&A Stationでは総合的なM&Aのサポートに従事。
業種を問わず幅広くM&A戦略の策定、事業承継についてアドバイスを行っている。

M&Aを活用して後継者問題を解決

昨今、中小企業にとって経営者の高齢化と後継者不在が深刻な問題となっています。

そんな中、中小企業庁が2017年7月に打ち出した、事業承継支援を集中的に実施する「事業承継5ヶ年計画」を皮切りに、中小企業の経営資源の引継ぎを後押しする「事業承継補助金」の運用、経営・幹部人材の派遣、M&Aマッチング支援など、円滑な事業承継に向けたサポートが実施され、国を挙げて後継者問題の解消を後押しする機運が高まってきました。

引退を検討している経営者の方はもちろん、まだ引退を考えていない方も事前に事業承継の知識を蓄えておけば、より円滑に事業承継を進めることができるでしょう。

当サイトではダウンロード資料として『【M&Aによる事業承継】M&Aの活用で後継者問題を解消』を無料配布中です。
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