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買収後の総額人件費管理~人件費予算の立て方をどうするか?~

M&Aの買い手においては、デューデリジェンスの段階から、M&Aクロージング後のPMIを見据えた準備に取りかかるべきです。
このいち早い取り組みが、M&Aの成否を分ける可能性もあります。

特に買収・合併後の人件費の管理は、新たな体制下における、それに相応しい基準を持って行わなければなりません。
今回は、総額人件費の基本的な考え方について見てみましょう。

人件費の考え方

買収、合併などのM&Aが成約される際、売り手が買い手に求める条件の1つに、売り手側従業員の待遇の維持があります。
ほとんどのM&Aでは、買い手が売り手よりも企業規模が大きいので、売り手が懸念するような従業員の待遇悪化はありません。

ただし、買い手側の既存従業員と同等の業務能力がある売り手企業出身従業員との間に、待遇格差がある場合は問題となります。
2020(令和2)年4月から施行された同一労働同一賃金ルールの観点からすると、どちらかの待遇を上げるか下げるかの措置が必要になるからです。

人件費は企業の収益にダイレクトに影響をもたらすものですから、経営者としては極力、人件費を抑制したいでしょう。
しかし、だからといって一方の従業員の待遇を下げたのでは、人材流出や訴訟を起こされるリスクへとつながります。

この場合、小手先の手続きで解決を図るのではなく、人事制度と全体の人件費をあらためて見直し、M&A後の会社の状況に見合った設計・設定を行うことが肝要です。

総額人件費の設定の仕方

経営上、人件費を考察するにあたっては、総額人件費という概念への理解が必要です。
総額人件費とは、従業員に支給する給与や福利厚生費等、人にかかわるコストをすべて合計した費用を指します。
以下に、その具体内容を掲示します。

総額人件費=現物給与+現物給与以外の人件費

・現物給与所定内給与+所定外給与+賞与・一時金
・所定内給与基本給+職務手当+家族手当+通勤手当+その他諸手当
・所定外給与時間外勤務手当+深夜勤務手当+休日出勤手当+宿日直手当+交替手当
・現物給与以外の人件費法定福利費+法定外福利費+退職金+人材採用費+教育訓練費など

この総額人件費の適正額を割り出す計算式が確立されており、それが以下の式です。

総額人件費=限界利益×労働分配率

・限界利益売上高-変動費
・労働分配率経済産業省発表による業界別平均労働分配率数値を用いる
※一般的な労働分配率の計算式は、人件費÷売上総利益(粗利益)×100

総額人件費を設定するうえで問題となるのは、異業種である売り手企業を買収・合併したケースです。
業種が異なれば適用させる労働分配率数値も違うため、買い手側企業のこれまでの基準が通用しなくなります。

したがって、M&A実施後においては、新たな事業体制とそれによる収益構造を踏まえた経営判断のもと、総額人件費を設定することが必須です。

付加価値ベースの総額人件費設定

ここでいう付加価値とは、一般的に使われる場合と意味は異なり、前章でも登場した売上総利益(粗利益)のことです。
この付加価値を示す計算式としては、以下の2種類の表現があります。

  • 付加価値(製造業などの場合)=売上高-材料費-外注費
  • 付加価値(販売業などの場合)=売上高-仕入原価
  • 付加価値=営業利益+人件費+支払利息+賃借料+租税公課+減価償却費など

付加価値の中に人件費が含まれているということは、付加価値(粗利益)によって人件費が賄われているとうことです。
そして、将来の付加価値を算出する前提となるのが、事業計画に基づいた予想売上高になります。

M&Aを実施した場合、この将来の売上高に大きく関わってくるのが、買収・合併した売り手企業ののれん価値です。
「のれん」とは、買い手が支払ったM&A対価と、売り手企業の純資産額との差額を指します。
より具体的にいえば、売り手企業の目に見えない資産価値です。
売り手が持つ人的資源や知的財産、技術力、開発力、ブランド力、販売ネットワークなどについて、買い手が評価した潜在的企業価値の金額と言えるでしょう。

したがって、M&A実施後の企業において総額人件費を設定する際には、必然的に売り手ののれん価値が織り込まれることになります。
つまり、M&A以前とは全く別物の付加価値によって、人件費を決めることになる点を理解し、臨む必要があるのです。

まとめ~買収した後もBricks&UKはお役に立ちます! ~

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近年、M&Aが活発化してきたことに伴い、M&A仲介会社の数も大きく増大しました。
しかしながら、多くのM&A仲介会社の業務範囲は、文字どおり「仲介」までであり、M&A成立後のPMIに対するサポートサービスを提供している会社は少ないのが実情です。

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カテゴリ 

買収後の統合

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