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【買収後のPMI】買収側と売却側、双方に納得いく人材配置とは

M&A成約後、買収側と売却側が従来の組織のまま業務を行うだけでは、シナジー効果創出・業績向上などは望めません。
M&Aにおける重要な要素である人材獲得効果を活かすためには、組織再編などの新たな組織設計と、それに伴う人事異動を含めた人材配置が必要です。

したがって、M&A後の組織設計・人材配置に際して、どのような点に留意すべきかを知っておくことは、大切なキーポイントになります。
今回は組織の統廃合・人員配置・人事異動の留意点について見ていきましょう。

合併による組織の統廃合について

M&Aスキーム(手法)の中でも特に合併の場合、買収側である存続会社の中に、売却側である消滅会社の組織・資産・人材などが丸ごと取り込まれます。
その状態から円滑に事業を軌道に乗せるには、組織の統廃合は必至です。

組織再編については学術的にも研究がなされ、さまざまな論がありますが、ここでは一般的な4つの組織設計モデルを紹介します。

合併後は、下記のような組織モデルを参照しつつ、新たな組織設計を実施することになります。
いずれにしても、個々のケースにおいて、業界動向や自社の立ち位置、そして、経営戦略上、何を重視するかなどによって、慎重に検討することが肝要です。

1.機能・職能別組織

組織の各部門を開発・製造・販売・総務・経理などの機能・職能ごとに分ける組織設計になります。
従来もっとも多くの会社で採用されてきたモデルです。

会社の販売する製品種類が少なかったり、1つの事業に特化したりしているケースに向いている組織再編方法と言えます。

2.事業部制組織

こちらもよく見る組織形態ですが、事業展開エリアや異なる事業などごとに支社・事業所・事業部などが形成され、それぞれの中に開発・製造・販売部門などが連なっているモデルです。

機能・職能別組織とは逆の特質があり、事業の多角化を行っていく際に適した組織再編方法になります。

3.カンパニー制組織

事業部制組織の各事業部の権限と責任を強めたモデルです。

基本的に、1社の中で各事業部を疑似的に会社(カンパニー)に見立てる社内カンパニー制を指しますが、その最たるものとして、持株会社の下に各事業会社が連なる持株会社制もカンパニー制組織といえます。
その特性上、合併直後の組織再編には向きません。

4.チーム制組織

事業本部のような大枠での組織はあっても、その中に細かなセクションは置かず、プロジェクト・チームが立ち上がるたびに、フレキシブルにメンバーを編成するモデルです。

特にスピードが重視されるプロジェクトに適していますが、リーダーやメンバーの選任方法と、それができるだけの査定情報を会社が持ち合わせているかが課題となります。

人員配置における課題とは?

組織設計が済み組織再編がなされたら、次なるテーマは新たな組織における人材配置です。

まずは、部門長を選任します。
その部門長とともに適正な必要人員数・人員構成を割り出すのです。
なお、例えば事業部制組織を敷こうとした場合に、適する部門長が足りないケースなどでは、その組織再編は一旦、断念し、当面は機能・職能別組織で推移するといった方針修正が必要になります。

各組織の人員数・人員構成の割り出し後、いよいよ人材配置に着手するわけですが、ここでの留意点は、適材適所を実現するとともに、実際に配置される従業員がどう感じるかにあり、具体的には以下の2点です。

  • フェアなプロセスを経ていると思われること
  • 公平な人材配置と思われること

M&A直後で人事制度を改定したばかりの段階では、特に新たに合流した売却側の人材の能力把握は困難でしょう。
そこで、一案としては、外部の人材アセスメント(適正評価方法)を導入し、その上で人材配置を行うというプロセスを取ることなどが有望です。

人事異動における課題とは?

人材配置後、一定期間を経て人事制度による査定が行われれば、さらなる適材適所を考慮し、人事異動を行うことになります。

この時に注意するべきことは、やはり従業員感情です。
特に、買収側出身者と売却側出身者の間で不公平があると感じさせるようなことは、極力、避けねばなりません。

その際の視点として気を配る必要があるのは、以下の3点です。

  • 本人がモチベーションを持てる人事異動かどうか(少なくとも納得できるものかどうか)
  • 周囲の従業員が見て適正と思える人事異動かどうか
  • 受け入れるセクションの既存従業員が歓迎できる人事異動かどうか

ここでのポイントは、本人も周囲もモチベーションが保てる人事異動を実施することにあります。
モチベーションを持った従業員の仕事ぶりは、必ず業績にも好影響をおよぼすからです。

そして、そのような人事異動・人材配置が行われるためには、そもそも適切な組織設計がなされ、合理的な人事制度や就業規則の下、良好な労働条件が保たれていることが必要になります。

ただし、それらを社内スタッフだけで実現するのは、かなりの難易度です。
そこで専門家の助力を得て、有効な組織設計・人材配置をスピーディーに実施することをおすすめします。

まとめ~買収した後もBricks&UKはお役に立ちます! ~

買収した後もBricks&UKはお役に立ちます!

近年、M&Aが活発化してきたことに伴い、M&A仲介会社の数も大きく増大しました。
しかしながら、多くのM&A仲介会社の業務範囲は、文字どおり「仲介」までであり、M&A成立後のPMIに対するサポートサービスを提供している会社は少ないのが実情です。

M&A Stationを運営する「税理士法人Bricks&UK」では、グループとして税理士、社会保険労務士、司法書士、M&Aアドバイザーが在籍しています。
買収後の難問であるPMIについても、それら各専門家スタッフによる総力を挙げたお力添えが可能です。

M&Aで買収を検討される際には、買収後のPMIサポートも万全であるM&A Stationまで、お気軽にお問い合わせください。
電話、お問い合わせフォーム、また、LINEからのお問い合わせも可能となっております。

社会保険労務士の額賀

この記事の監修M&A労務アドバイザー 額賀 康宏

社会保険労務士事務所Bricks&UKに所属する社会保険労務士。
M&A Stationでは労務関連のスペシャリストとして、統合プロセスでの労務トラブル回避などに有益なアドバイスを提供している。

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カテゴリ 

買収後の統合

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