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買収側の支払いのタイミング

M&Aにおいて買収側にとってはその額も大きく、特に手数料や報酬といった項目については支払額と要件、また支払い義務が発生するタイミングを確実に把握しておく必要があるでしょう。

個別の契約内容により、あるいはM&Aアドバイザーによって異なることがありますが、一般的にどのようなパターンがあるのか、これまでのご説明を少し深掘りし、詳細に検討をしてまいります。

取引に着手する前段階

M&Aに着手する際、一般的に買収側は候補となる買収相手先候補に関する情報をM&Aアドバイザーや金融機関等から提供を受け、自社の成長や事業の拡大に手を組めそうな相手先を探すことになります。
ただし、この段階では相手先が特定できるような情報はなく、広域での所在地、売上・従業員の規模、業種といった程度の情報提供に留まりますので、踏み込んだ作業には至りません。

金融機関からの情報提供の場合、口頭レベルでの打診であることも多いでしょう。
そのため、M&Aアドバイザーの方針にかかわらずこの段階で費用がかかることはまず無いと考えて差し支えありません。
提供を受けた概略情報の中から、もう少し詳しく話を聞いてみたい相手先があれば仲介事業者に対しNDA(秘密保持契約書)を差し入れた上でより詳細な情報提供を受けられる事になります。

その間、提供を受けた情報に基づいてより詳細な検討をしたい場合や踏み込んだ質問などを交わしたい場合、仲介事業者を通じて先方とコンタクトを取れることが一般的です。
この段階では候補先となる相手を特定できることが多く、また候補先の経営者の踏み込んだ事情に触れる機会もあることから、安易な動機で接触をさせないという意味合いも含み最初に手数料を設定しているアドバイザーが多くなります。
相場は10万円前後であれば妥当と言えるでしょう。

秘密保持契約書を差し入れたら、アドバイザーに対して速やかに支払うことになる費用です。
そして仲介事業者を通じコンタクトを取り、お互いに譲渡・譲受を本格的に検討する意思が確認できれば次の段階に進むことになります。

取引に着手する段階

意思疎通を重ね、M&Aの成立にある程度の見通しがつくと経営者同士で初めて面談することになります。
初顔合わせの場所はそれぞれですが、スモールM&Aの場合、昼食を兼ねて和やかな雰囲気で行われることもあれば譲渡側の会社に譲受側の経営者が訪問することも多く、多くは買収側の希望で面談場所が決まる傾向にあるようです。

初顔合わせ後、意見交換や会社見学などの段階を経て買収を本格的に検討する意志が固まると、買収側経営者から正式な買収の意向が表明されます。
この名称は広く同一の呼称を用いている事業者が多いようですが、M&Aに誠実に取り組み、本格的な条件交渉に入ることを約束する正式な文書です。

そしてこの段階もひとつの区切りと捉え、M&Aアドバイザーによっては手数料を設定していることが多いと言えるでしょう。
買収側の経営者にのみ課していることが一般的ですが、スモールM&Aの場合やはり10万円前後に設定されていることが多く、意向表明書の差し入れと同時にアドバイザーに対して支払うことになります。

続いて、M&Aの全体スキームや基本になる条件を話し合うことになりますが、この段階ではまだデューデリジェンスは行いません。
あくまでもありのままの状態を基本にして基本的な条件をすり合わせる作業を行いますが、合意に至ることができれば前半の大きな山場となる「基本合意書」を締結することになります。

この段階ではM&Aアドバイザーに対して着手金の支払いが設定されていることが多く、定額の場合もあれば想定される取引から想定される成功報酬の10%程度などと、金額や支払い方にはアドバイザーの考え方でややばらつきがあると言えるでしょう。
この際に支払った着手金は、取引が成立した場合には成功報酬に充当されますが、取引が不成立に終わった場合でも返還されないことが一般的ですので、後戻りできない大きな一歩を踏み出すことになります。

取引成立までの出費と取引成立後の支払い

基本合意契約を締結すると、買収側は被買収企業の本格的な調査に入ることになります。
財務諸表の内容が実態を反映しており、特段の法的リスクも無いのであれば基本合意契約の条件と内容に従い取引は成立することになりますが、そのようになることは極めて稀と言えます。

そして、どのようなリスクが潜在しているのか徹底的に調査する財務・法務のデューデリジェンスを実施することになりますが、買収側が負担する費用の中で、成功報酬に次いで額が大きくなる可能性が高い持ち出しであることは詳述の通りです。

また、デューデリジェンスの費用は税理士(公認会計士)と司法書士(弁護士)に対して支払う報酬ですので、取引の成否にかかわらず実施をすれば必ず発生し、支払いはそれぞれの事務所が定める支払条件に従い原則として現金払いとなるでしょう。
取引の成立が見通せる時期に無関係に、直ちに支払いが発生します。

譲渡契約書の締結に至りM&Aが成立した場合、買収代金の支払いとM&Aアドバイザーへの成功報酬の支払いを残すのみとなりますが、買収代金の支払いは当事者で取り決めた内容に従うことになりますので、一般論は存在しません。
もっとも多い株の全部譲渡方式による会社の譲渡の場合、株の引き渡しと同時に代金の引き渡しをすることが取り決められており、またそのことを契約発行の条件にしていることが多いです。

M&Aアドバイザーへの成功報酬については案件がクロージングした後に遅滞なく支払う取り決めにしていることが多いと思われます。

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