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【2023年最新】アパレル業界のM&A動向は?事例も紹介

コロナ禍によって小売・販売業界には大きな変化がもたらされましたが、EC事業の強化などを目的に近年アパレル業界でM&Aが活発になっています。

本記事では、アパレル業界のM&Aの最新動向について解説します。
そもそもアパレル業界とはどのような業界を指すかといった基本から、実際に行われたM&Aの事例も見ていきましょう。

アパレル業界とは?最新の業界動向を確認

M&Aについて見る前に、まずはアパレル業界について基本的な知識を深めておきましょう。

アパレル業界の定義と特徴

アパレル業界の「アパレル(apparel)」は、衣服を意味します。アパレル業界とは衣服の製造や流通、販売を行う業界のことです。
業界内での分業化が特に進んでいる業種のひとつで、その構造は良く川の流れに例えられます。
役割によって「川上」「川中」「川下」と表現され、以下の役割で分かれます。

  • 川上:繊維素材の生産
  • 川中:繊維素材から衣服を生産
  • 川下:衣服を仕入れ消費者に販売

ただし完全に分業されているわけではなく、最近ではSPA企業も目立つようになりました。
SPAとは「Speciality Store Retailer of Private Label Apparel」の頭文字からとった呼称で、企画から生産、販売まで一貫して行う業種のことです。

アメリカ大手のGAPが自社のビジネスモデルを指して使った言葉に由来し、日本語では「製造小売業」と訳されます。
日本の身近な例としては、「無印良品」を展開する株式会社良品計画や「ユニクロ」の株式会社ファーストリテイリングがあげられるでしょう。

さらに海外から高級アパレルブランドを仕入れて百貨店に卸している企業もありますし、生産だけを行っている企業もなかにはあります。
多様な業態パターンがあるのが、アパレル業界の特徴です。

またアパレル業界の特徴として「季節や流行に左右される」という点もあげられます。
衣服ですから、どうしても季節には左右されてしまいます。夏服よりも冬服の方が高くなる傾向にあるため、季節に応じた戦略がアパレル業界には必要です。

流行はどんどん変わりますから、消費者や社会の動向に素早く対応する必要もあります。流行を正確に分析することが求められます。

アパレル業界の最近の動向

次に、アパレル業界の最近の動向を説明します。

前述したように、最近のアパレル業界ではSPAを行う企業が増えています。
SPAは自社のなかで企画、製造、販売まで一貫して行えることから、コストを抑えることが可能です。消費者がより安い商品を求める傾向にあることが、SPAが広がった背景にあります。

また最近のアパレル業界の動向として、EC市場が急速に拡大している点もあげられます。
経済産業省の発表によると、2021年のアパレル業界ECの市場規模は、2兆4,279億円。前年比の伸び率は9.35%、EC化率は21%を超えました。

2015年から6年間で、2倍以上の割合になっています。今後もEC市場規模の拡大が予想されるでしょう。

アパレル業界のM&Aの動向

アパレル業界のM&Aの動向

いよいよ、アパレル業界のM&Aの動向について説明します。近年、アパレル業界ではM&Aが活発です。
EC市場は拡大したものの、アパレル業界の市場規模自体は縮小しているため、収益確保のためのM&Aが多く行われています。
また、以下を目的としたM&Aも多い傾向にあります。

  • サプライチェーンの垂直統合を目的にしたM&A
  • EC事業強化を目的にしたM&A
  • DXを目的としたM&A

サプライチェーンとは製造、仕入れ、販売など消費者に商品が届くまでの一連の流れを指す言葉です。
自社で販売まで一貫して行えるように、サプライチェーンの垂直統合を目的にしたM&Aが多く見られます。

またEC市場規模の拡大から、アパレル業界で継続的に事業をしていくにはEC化が求められます。
ECサイトには、デジタルマーケティングのスキルが必要です。スキルを求めて、EC事業を展開している企業を買収する大手企業は多くあります。

さらに、最近はアパレル業界でも業務のデジタル化が行われるようになりました。
ITで在庫や顧客データの管理を行うために、アプリ開発を行う企業を買収するケースもあります。

このほか、後継者不在の企業による事業承継のためのM&Aも一定数行われています。

アパレル業界で行われたM&Aの事例

アパレル業界で行われたM&Aの事例

ここで、実際に行われたアパレル業界のM&Aの事例を紹介します。アパレル企業同士のM&Aと、異業種とのM&A、それぞれ見ていきましょう。

アパレル企業同士のM&A

まずは、アパレル企業同士のM&Aを見ていきます。以下の事例があげられます。

事例1:アングローバルがアンドワンダーを子会社化

アングローバルはアパレル大手のTSIホールディングスの子会社で、婦人服、紳士服、服飾品の企画から製造、輸入、販売を行っている会社です。

2019年にアングローバルはアパレルブランドの「マーガレットハウエル(MARGARET HOWELL)」や「エムエイチエル(MHL)」を展開するアンドワンダーの全株式を取得し、子会社化しました。株式取得価額は非公開とされています。

このM&Aの目的は、ブランド力の成長促進です。

事例2:ジャパンイマジネーションがC.R.E.A.Mに事業譲渡

2021年に、ジャパンイマジネーションが2つのブランド事業をC.R.E.A.Mに譲渡したM&Aもあります。

ジャパンイマジネーションは、女性向けのカジュアルブランドを展開している企業です。一方、譲り受け企業になるC.R.E.A.Mは、フォーマルスーツのブランド「Dress Lab」を展開する企業で、自社サイトや楽天市場などのECモールで主に商品を販売しています。

C.R.E.A.Mはフォーマルなブランドのみを展開しており、女性向けの商品を持っていませんでした。
コロナ禍でさまざまなイベントが中止になったことを理由に、当時の業績は下降しており、新たな顧客層の獲得のために、ジャパンイマジネーションの2つのブランドを譲り受けることを決めました。

新たなブランドをゼロから立ち上げ定着させるには、多大な資金と時間を必要とします。
M&Aにより既に確立されたブランドを取得することで、それらを大幅にカットしつつこれまでにリーチできていなかった顧客層を獲得することが可能になるのです。

アパレル企業と異業種のM&A

次に、アパレル企業と異業種のM&Aを見ていきましょう。以下の事例があります。

事例1:三井物産がビギホールディングスを子会社化

2018年に三井物産が、ビギホールディングスの全株式を取得すると発表しました。

ビギホールディングスは、「メルローズ」「メンズ・ビギ」などのブランドを展開しているアパレル企業です。三井物産の傘下に入ることで、海外展開を目指す狙いが背景にはあります。

一方、三井物産ではファッション・繊維事業において販売・マーケティングに注力しており、ビギホールディングスの買収で、企画、販売プラットフォームの機能強化を図る狙いです。

なお、このM&Aの出資比率は、三井物産などが運営するMSDファンドが66.6%、三井物産が33.4%とされています。

事例2:ZホールディングスがZOZOを子会社化

Zホールディングス(旧ヤフー)は、大手のインターネット企業です。

「Yahoo!ニュース」や「Yahoo!ショッピング」などのサービスを主に展開していますが、2019年に、ZホールディングスがZOZOに対して買収を行うと発表しました。
これは有名なM&Aですから、ニュースなどで見たという人も多いでしょう。

同年11月には、ZOZOがZホールディングス連結子会社になりました。
M&AによってZホールディングスは「PayPayフリマ」や「PayPayモール」開設など、EC事業の拡大を目指すことが可能になっています。

また、ZOZOもヤフーユーザーの獲得によって利用者の増加が見込めるようになりましたし、ZOZOTOWNの決済方法に「PayPay」が追加されたことで利便性が向上しました。

今後も、双方に大きなシナジー効果が生まれることが予想されます。

まとめ~アパレル業界のM&AもM&A Stationへ~

【2023年最新】アパレル業界のM&A動向は?事例も紹介

近年、アパレル業界ではM&Aが活発になっています。今まさに検討しているという方もいるでしょう。
M&Aには知識と経験が求められますから、業界の知見と豊富なノウハウを持つ専門家への依頼がおすすめです。

とは言え、専門家でも得意な業界はさまざまなため、依頼には注意が必要です。
その点、当サイトを運営する「税理士法人Bricks&UK」では税理士・社労士・司法書士・行政書士など各分野の専門家がチームを組んでM&Aを手厚くサポート。幅広く専門的にお手伝いできますから、スムーズで安心したM&Aを行えます。

アパレル業界でのM&Aを検討している方は、ぜひ一度お問い合わせください!

アドバイザーの齊藤

この記事の監修M&Aシニアアドバイザー 齊藤 宏介

税理士法人Bricks&UKにて、税務・会計の豊富な経験から事業者の良きパートナーとして活躍。
M&A Stationではアドバイザーの中心的存在として、様々な業種の会社へのM&Aアドバイザリー業務を取り仕切る。

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M&Aを成功させるための要点のひとつに「デューデリジェンス」が挙げられます。
買収対象企業の分析・評価のために実行されるもので、ここでリスクを見落としてしまうと後々取り返しがつかない危険性があります。

ただ、調査項目は多岐に渡り高度な専門知識が必要とされ、いざ必要な場面でどこに依頼すればいいか分からない方も少なくないでしょう。
多くのM&A仲介会社の業務範囲は、文字どおり「仲介」まで。デューデリジェンスに関しては、改めて依頼先を探さなければいけません。

M&A Stationを運営する「税理士法人Bricks&UK」では、グループとして税理士、社会保険労務士、司法書士、M&Aアドバイザーが在籍しており、本来であれば個別に依頼が必要なデューデリジェンスもワンストップ対応が可能です。

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