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M&Aにおけるクロージングとはスキームごとの手続き内容や必要書類を解説

M&Aは、最終契約の締結をすれば終わりというわけではありません。
その後に行われる「クロージング」も、実は非常に重要なプロセスです。

M&Aの手続きの最終局面と言えますが、実際にどのような流れで手続きが行われているのかは、M&Aが初めての方にはわかりにくいところでもあります。
本記事では、M&Aのクロージングについて詳しく説明します。

M&Aにおけるクロージングとは?

M&Aにおいて、クロージングとはなんでしょうか。その意味やスキームごとの違いを見ていきましょう。

M&Aにおけるクロージングの意味

まずはクロージングの意味を説明します。
M&Aのクロージングとは、M&A取引が実行され、株式等の引き渡しと対価の支払い手続きによって会社や事業の経営権が売り手から買い手に移転することを意味します。

M&Aでは売り手と買い手で交渉が行われ、合意されれば最終契約を締結します。しかし、最終契約の締結だけではM&Aは完了しません。
最終契約に基づいて、対価の支払いや経営権の移転などのクロージングが必要です。これにより経営権の移転が完了となります。

M&Aの最後の手続きとして、クロージングは非常に重要なプロセスなのです。

M&Aスキームによるクロージング手続きの違い

クロージングの手続き内容は、M&Aのスキームごとにさまざまです。
それぞれ説明します。

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1 株式譲渡

株式譲渡とは、株式の引き渡しによって会社の経営権を移転させるM&Aのスキームです。
株主名簿の変更だけと手続きも簡単なため、もっとも広く利用されている手法になります。

この株式譲渡の場合、売り手から買い手に株式が引き渡されます。また、買い手は株式を確認後、取得の対価を支払います。

2 事業譲渡

事業譲渡とは、会社の事業の全部または一部を切り離して譲渡する方法です。
会社の経営権は売り手に残るという特徴があります。

事業譲渡では、譲渡する資産・負債、権利義務ごとに個別で手続きしなくてはなりません。
そのため、株式譲渡よりもクロージングが複雑になりますし、クロージングの日付が一定にならないこともあります。

3 第三者割当増資

第三者割当増資とは、特定の第三者に対して新株を引き受ける権利を付与して行う増資を言います。
資金調達の手法として広く用いられていますが、実際にはM&Aではあまり利用されていません。

第三者割当増資のクロージングは、売り手が新株の発行手続きをすることで完了します。

4 合併

合併とは、2つ以上の会社を1つの法人格に統合することです。
吸収合併」と「新設合併」の2種類があります。

吸収合併とは、合併によって消滅する会社の権利義務の全部を存続する会社に移転させるものです。
対して新設合併は、合併によって消滅する会社の権利義務の全部を新たに設立する会社に移転することです。

吸収合併の場合、対価が株式であれば存続会社から消滅会社に対して株式が発行されます。
対価が現金であれば現金の払込みを行うことになります。

吸収合併であれば対価として現金が可能になるわけですが、新設合併の場合現金は認められていません。

新設合併では、新設会社の設立登記によって合併が成立し、新設会社から消滅会社の株主に対して株式が発行されます。
そのため、新設合併のクロージングでは設立登記が必要になります。

5 会社分割

会社分割にも、「吸収分割」と「新設分割」の2種類があります。

吸収分割とは、会社が事業の全部または一部を切り離して別の会社に移転することを言います。
新設分割は、会社の事業の全部または一部を切り離して新たに設立する会社に移転することです。

吸収分割では、対価が株式の場合は株式が発行され、現金の場合はクロージングとして現金の払込みが行われます。
新設分割は現金の対価はやはり認められていないため、対価として株式を発行します。新設分割の場合、クロージングとして設立登記が必要です。

M&Aのクロージングの手続きについて

M&Aのクロージングの手続きについて

実務上の手続きとして、クロージングにかかる期間や必要書類を確認していきましょう。

クロージングにかかる期間

クロージングにかかる期間を見ていきましょう。

一般的にM&Aは、最終条件の交渉後、双方合意されれば最終契約を締結することになります。
クロージングは最終契約の締結後、一定期間を空けて行われることになります。おおよそ1ヶ月から、長ければ1年期間が空けられることもあります。

期間が空く理由として、以下の点があげられます。

  • 法令に関する必要な手続きへの対応に時間を要するため
  • デューデリジェンスで発見された問題の修正に時間を要するため
  • 売り手が資産・事業を整理して必要書類をそろえる時間が必要なため

M&Aのクロージングに必要な書類

M&Aのクロージングでは、必要になる書類がいくつかあります。
多く用いられる株式譲渡に着目して、必要書類を確認しておきましょう。

売り手がクロージングで必要な書類

売り手が必要な書類は、主に以下の4種類です。

  • 株式名簿の写し
  • 株式譲渡承認書
  • 株主名簿記載事項書換請求書
  • 株式譲渡代金の領収書

それぞれ内容を説明します。

【株主名簿の写し】

クロージング日前日の持ち株比率を確認するため、株主名簿の写しが必要です。会社実印の押印が必要になります。

【株式譲渡承認書】

株式譲渡承認書とは、株主総会で株式を買い手に譲渡する承認を得たことを示すための書類です。会社の承認を得ていることの証明になります。

【株主名簿記載事項書換請求書】

株主名簿記載事項書換請求書は、株主名簿の書き換えを請求するための書類です。特に法令によって決められた様式はありません。

一般的には名簿の書き換えに必要な売り手・買い手側株主の住所、氏名、株式の種類、株式数を記載します。

【株式譲渡代金の領収書】

売り手は、株式の対価を受け取ったことを証明するための書類として、株式譲渡代金の領収書も必要です。一般的に印紙代は必要ありませんが、その場で代金を支払う場合は印紙代が必要です。

買い手がクロージングで必要な書類

次に、買い手がクロージングで必要になる書類について見ていきます。主に以下の3つの書類が必要です。

  • クロージング書類受領書
  • 印鑑証明書
  • 登記事項証明書

こちらについても、それぞれ内容を確認しておきましょう。

【クロージング書類受領書】

売り手からクロージング関連の書類や提出物などを受け取ったことを証明する書類です。

【印鑑証明書】

印鑑証明書は、印鑑が確かに買い手会社のものであることを証明する書類です。
クロージングでは、会社の印鑑証明書が必要になります。

最寄りの法務局で手続きできますので、準備するようにしましょう。

【登記事項証明書】

登記事項証明書とは、買い手の登記事項を証明するための書類で、登記簿謄本とも呼ばれています。

クロージングでは、この登記事項証明書も必要になります。印鑑証明書と同じく、法務局で発行できます。

M&Aのクロージング条件とは

M&Aのクロージング条件とは

ここで、クロージングを理解する上で欠かせない「クロージング条件」について説明します。
クロージング条件とは、株式譲渡をする場合に譲れない条件のことです。

クロージング条件が1つでも満たされていない場合、クロージングの延期や契約の解除をすることが可能になります。

例えば、以下のようなクロージング条件があります。

  • MAC条項…財政状況などに重大な悪影響を与えるような変化が起きていないことをクロージング条件として規定する条項
  • キーマン条項…特定の役員・社員に継続して従事する意思があることをクロージング条件とする条項

M&Aのクロージング後に行われるPMIとは

クロージング前後に行われるプロセスであるPMIについて説明します。

M&AにおけるPMIとは

M&AのPMIとは「ポスト・マージャー・インテグレーション(Post Merger Integration)」の略であり、M&A後の統合効果を最大化するための経営統合プロセスのことを意味します。

このPMIが適切に行われないと、社員が退職してしまったり、取引先が離反してしまったりする可能性があります。
そうなっては期待されたシナジー効果も生まれなくなってしまうため、PMIがM&A自体の成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。

実際にPMIが上手くいかず、M&Aが失敗に終わってしまったケースも多くあります。

PMIの内容

PMIは、クロージング前とクロージング後で時系列に分けることができます。それぞれどのような内容が見ていきましょう。

クロージング前のPMI

最終契約の締結からクロージングまでの期間中に、統合に関する方針を決める必要があります。この時期に行われるPMIは、「連邦型統合」「支配型統合」「吸収型統合」の3つに分けられます。

連邦型統合とは、相手会社を子会社として存続させ、子会社に経営の自主性を維持させるための方針です。
M&Aでは、どうしても社員の反発が起こりやすくなるもの。しかし連邦型統合では、経営の自主性を維持させるため社員の抵抗を抑えることが可能です。
ただしデメリットとして、シナジー効果が発揮しにくくなるという点があげられます。

支配型統合は、相手会社を子会社として存続させつつ、買い手が経営に積極的に関わる場合の統合方針です。
支配型統合のメリットは、高いシナジー効果を得られる可能性があることでしょう。反面、デメリットとして、子会社になる売り手の社員の反感を買いやすくなるという点があります。これにより、優秀な社員が退職してしまう事態も考えられます。

吸収型統合は、相手会社を吸収し、同一の法人にする統合の方針です。
早い段階からシナジー効果が期待できるものの、現場の負担が大きくなる特徴があります。

クロージング後のPMI

クロージング後の数か月から半年後までに行うPMIを計画したものを「ランディング・プラン」と言います。
クロージング後は、このプランに沿ってPMIを進めていきます。

主に、以下のものがあげられます。

  • 役員人事
  • 組織・人員配置の見直し
  • 職務分掌・決済権限の見直し
  • 定款の変更
  • 業務規程・業務運用ルールの見直し
  • 労働条件の見直し
  • 経理・財務の見直し

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まとめ

M&Aにおけるクロージングとはスキームごとの手続き内容や必要書類を解説

今回は、M&Aのクロージングについて見てきました。
クロージングをもってはじめて取引が完了したと言えるほど、クロージングはM&Aを成約させるためには欠かせないプロセスです。

しかし、クロージングには必要な書類も多くありますし、あるいはクロージング日までに会社の価値が大きく変わってしまうなどさまざまな問題があります。
そもそもM&A自体複雑なプロセスが多く、豊富な経験や深い知識を必要とされます。
やはり専門家に依頼すると安心でしょう。

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アドバイザーの齊藤

この記事の監修M&Aシニアアドバイザー 齊藤 宏介

税理士法人Bricks&UKにて、税務・会計の豊富な経験から事業者の良きパートナーとして活躍。
M&A Stationではアドバイザーの中心的存在として、様々な業種の会社へのM&Aアドバイザリー業務を取り仕切る。

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近年、M&Aが活発化してきたことに伴い、M&A仲介会社の数も大きく増大しました。
しかしながら、多くのM&A仲介会社の業務範囲は、文字どおり「仲介」までであり、M&A成立後のPMIに対するサポートサービスを提供している会社は少ないのが実情です。

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