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潜在株式とは?知っておくべきM&A用語の解説

将来的に増える可能性がある株式のことを「潜在株式」と言います。
M&Aを行う場合、対象企業に潜在株式があるかどうかは非常に重要です。

本記事では、潜在株式について詳しく説明します。M&Aに与える影響や注意点も見ていきましょう。

潜在株式について概要や関係する用語を確認

潜在株式とはどのようなものでしょうか。概要や、関係する用語について説明します。

潜在株式とは

まずは潜在株式の意味を確認しましょう。
潜在株式とは、潜在的に増加する可能性のある株式のことを指します。将来増えそうな株式のこととイメージしてもらって良いでしょう。

例えば、役員や従業員が株式を取得できる権利をストックオプションと言いますが、このストックオプションが行使された場合は潜在株式が発生します。

ある企業の従業員が、ストックオプションを100株分持っていたとしましょう。ストックオプションを行使すれば、企業は新たに100株の株式を発行することになります。
現段階では従業員がストックオプションを持っているだけですが、将来的に100株を追加で発行する可能性があるわけです。

この追加で発行する可能性のある100株の株式が、潜在株式です。潜在株式は有価証券で一定の情報開示が求められています。

なお、ストックオプションについては後ほどくわしく説明します。

潜在株式による「株式の希薄化」の可能性

潜在株式について考えるときに、知っておきたいのが「株式の希薄化」です。
ストックオプションなどの行使で新株発行を行った場合、発行済株式数が増えることになります。

発行済株式数とは、企業がすでに発行した株式数のこと。
株式が増えれば、1株当たりの価値が下がってしまう可能性があります。この発行済株式数が増えることで株式の価値が下がることを株式の希薄化と呼ぶのです。

ただし増資することで企業に多くのメリットがある場合、逆に株式の価値上がるケースも一定数あります。

潜在株式数と潜在株式比率とは

潜在株式と深く関わりのある用語に「潜在株式数」と「潜在株式比率」があります。
それぞれ、どのような意味を指すのでしょうか。

潜在株式数とは、潜在株式が全て発行されたときの株式総数のことを言います。前述した、発行済株式数とも呼ばれるものです。
なお株式会社では株式の希薄化の可能性があることから、発行できる株式数には上限を設けています。この上限数を「発行可能株式総数」と言います。

もう一方の潜在株式比率は、潜在株式数を発行済株式数で割った比率のことを指します。比率が高いほど、将来的に企業の発行済株式数が増える可能性があります。

潜在株式調整後1株当たり当期純利益とは

次に確認しておきたいのが、「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」です。
そもそも「1株当たり当期純利益」とは、企業が1株当たりでどれだけの当期純利益を得られるかを表した指標です。

「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」とは、仮に潜在株式が発行された場合の1株当たり当期純利益のことを指します。

合わせて、計算方法も確認しておきましょう。
潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、「普通株式にかかる当期純利益+当期純利益調整額」を「普通株式の期中平均株式数+普通株式増加数」で割ることで算出できます。

なお、企業には希薄化が起こった場合、潜在株式調整後1株当たり当期純利益の開示が求められています。

M&Aで潜在株式が重要な理由

M&Aで潜在株式が重要な理由

M&Aにおいて、潜在株式の存在は非常に重要です。
買い手側が潜在株式のある対象会社を買収する場合には、持ち株比率の低下に注意しなければなりません。
対象会社の株式の過半数を取得すれば、子会社化することが可能です。

しかし、株式の過半数を取得して子会社化したとしても、潜在株式が顕在化すれば買い手側企業の持ち株比率は低下。支配権が維持できなくなる可能性があります。
大きな損害にもなりかねませんので、M&Aを行う場合は潜在株式の存在にも注意が必要です。

潜在株式にはどんなものが含まれる?

潜在株式が発行される権利には、どのようなものがあるのでしょうか。紹介していきます。

潜在株式が発行される権利で代表的なものが、「新株予約権」です。
新株予約権とは、その株式会社の株式をあらかじめ決められた条件と金額で取得することができる権利です。

新株予約権のなかでも特に役員や従業員に与えられた権利が、前述したストックオプションになります。
なお、一般の投資家に与えられた新株予約権はそのまま新株予約権と言いますが、「ワラント」と呼ばれることもあります。

あらかじめ決められた金額で購入できますから、例えば1株2,000円で株式を取得できる予約権を持っていれば、そのときの株価が5,000円でも2,000円で取得が可能です。
取得した株式を5,000円で売却すれば、3,000円の利益が出ることになります。

また、新株予約権のほかに潜在株式が発行される権利として「新株予約権付社債」があります。これは別名・ワラント債とも呼ばれます。

新株予約権が付与された社債とイメージしてください。
新株予約権付社債では、新株予約権を行使したときに過去に払い込んだ社債のお金を代金に充てることが可能です。

M&Aにおける潜在株式の取り扱いの注意点

M&Aにおける潜在株式の取り扱いの注意点

前述したように対象企業に潜在株式があると、株式の過半数を取得しても持ち株比率が低下する可能性があります。
また、M&Aではストックオプションの取り扱いにとくに注意が必要です。

ストックオプションについて、売り手側企業と買い手側企業それぞれの注意点を見ておきましょう。

【売り手側企業】

ストックオプションを発行する企業が売り手側として完全子会社や消滅会社となった場合、権利が消滅してしまう可能性があります。

ストックオプションが消滅すれば、保有していた従業員に不利益が生じます。結果として、会社に不信感を抱き退職してしまうケースも考えられるでしょう。
M&Aが行われる場合は、ストックオプションの取り扱いについてしっかり説明する必要があります。

また、ストックオプションを与える際に、将来的にM&Aによって消滅する可能性があることを説明しておくことも大切です。

【買い手側企業】

買い手側企業としても、ストックオプションの消滅を理由とした従業員の退職には注意が必要です。
M&Aでは、経営統合プロセスを指すPMIが成功の1つの鍵を握っています。

役員や大量の従業員が退職してしまえば、PMIが上手くいかずに効率的な運営が行えない可能性があります。
事業のキーパーソンや優秀な人材が退職することで、M&A後に行うはずだった事業計画が実行できなくなる場合もあるでしょう。

また合併で売り手側企業が消滅する場合、売り手側の従業員に買い手側企業のストックオプションを与えるか、金銭的補償をしなければなりません。
金額など金銭的補償の内容、数などのストックオプションの内容について合併契約書に明記する必要もあります。

まとめ

潜在株式とは?知っておくべきM&A用語の解説

潜在株式を含め、M&Aでの株式の取り扱いには専門的な知識と経験が必要です。
とは言え、専門家でも得意な業界はそれぞれなため、依頼する際は注意しなければいけません。

その点、当サイトを運営する「税理士法人Bricks&UK」では税理士・社労士・司法書士・行政書士など各分野の専門家がチームを組んでM&Aを手厚くサポート。
幅広く専門的にお手伝いできますから、スムーズで安心したM&Aを行えます。

あなたのM&Aを成功させるために、ぜひ一度お問い合わせください!

アドバイザーの永井

この記事の監修M&Aアドバイザー 永井 拓海

税理士法人Bricks&UKにて、会社設立や創業融資などスタートアップの支援を数多く担当。
M&A Stationでは総合的なM&Aのサポートを担当。M&A戦略の策定から資金調達までクライアントのニーズに広く対応する。

デューデリジェンスなどへの対応を含め、総合的にM&Aをサポートする体制が備わっているのがM&A Stationです。
進行中のM&A案件に関するセカンドオピニオンも承っております。
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