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休眠会社をM&Aで買取するメリット・デメリットは?税金についても確認

日本国内には長い間企業活動していない会社、いわゆる「休眠会社」が多く存在しますが、実はM&Aによりそれらの休眠会社を有効活用することが可能です。

休眠会社を買取することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?本記事ではM&Aにおいて休眠会社を買取するメリットを紹介します。
またリスクを避けるにはデメリットの把握も欠かせませんので、あわせて見ておきましょう。

休眠会社をM&Aした場合の税金についても触れているため、M&Aを検討している人にとっては必読の内容となっています。

休眠会社の定義・概要

そもそも休眠会社とは、どのような会社を指すのでしょうか。
名前からなんとなくイメージできるものの、しっかり把握しているという人は少ないでしょう。

休眠会社の買取を検討している場合、その定義を理解しておく必要があります。
まずは休眠会社の概要を説明します。

休眠会社とは

一般に、休眠会社とは長期間企業活動が行われていない会社のことを指します。会社法第472条では、「最後に登記があった日から12年が経過している株式会社」と具体的な期間が定義されています(ただし、特例有限会社は含まれません)。

2015年に法務省が発表したデータでは、実に約8万6,000社が休眠状態にあると判断されました。

株式会社が休眠会社となるには、都道府県や市区町村、税務署、年金事務所などに届け出なければなりません。
必要なのは提出だけですので、費用をかけることなく会社を休眠させることが可能です。

休眠会社ができる理由

休眠会社ができる理由として、例えば以下の理由が挙げられます。

  • 清算を面倒に感じている
  • チャンスがあればまた事業を再開しようとしている
  • 経営者が不在

会社の清算には手続きが必要ですし、一定の資金もかかります。
清算が必要な状況でも、手続きが面倒だったり手続きのための資金不足だったりしてそのまま放置されるケースはめずらしくありません。

また「チャンスがあれば事業を再開したい」と経営者が考え、一時的に休眠している会社もあります。
経営者が事故や病気のため企業活動が行えないケースや、後継者不在のため休眠しているというケースもあるでしょう。

ペーパーカンパニーとの違い

良く耳にするペーパーカンパニーと休眠会社には、どのような違いがあるのでしょうか。

ペーパーカンパニーとは「法人登記されているが企業活動の実態がない会社」のことを指します。
休眠会社との大きな違いは、明確な定義があるかないかです。

休眠会社は、会社法によって「最後に登記があった日から12年が経過している株式会社」と定義されていると前述しました。
対して、ペーパーカンパニーに明確な定義はありません。
言ってみれば俗語で、脱税のために設立された会社や虚偽の記載・申告のある会社などもペーパーカンパニーと呼ばれることがあります。

広く使える用語である分、どちらかと言うと悪いイメージが強いのが「ペーパーカンパニー」という言葉の特徴とも言えます。

休眠会社を買取するメリット

休眠会社を買取するメリット

長い間企業活動を行っていない休眠会社をM&Aで買取すると、多くのメリットがあります。
休眠会社を買取するメリットは以下のとおりです。

  • 安値で買取できる
  • 資本金が不要
  • 許認可を取得できる
  • 会社設立の手続きが不要

それぞれ、説明します。

メリット1 安値で買取できる

最大のメリットとして、休眠会社は相場よりも安く会社を買取できます。

例えば社歴が長いなど、価値がある休眠会社も一定数見られます。
業界に限らず老舗の方が信頼が高いことはよくありますが、そういった価値のある会社を安値で買取できれば、後々投資した金額を遥かに上回る大きな利益を得ることも可能となります。

メリット2 資本金が不要

資本金が不要になることも大きなメリットです。
仮に、すでに資本金が1,000万円の休眠会社を買い取ったとしましょう。追加で資金を投じることなく資本金1,000万円の会社を所有できることになるのです。

2006年の会社法改正で、確かに現在は資本金1円からでも会社を設立できるようになりました。
しかし資本金は会社の力の証明になる、大切な基準と見られることに変わりはありません。
資本金が大きければ対外的な信用度も高まり取引もしやすくなりますし、金融機関からの資金調達もしやすくなる傾向にあります。

資金をかけることなく資本金のある会社を所有できるのも、休眠会社を買取するメリットと言えるでしょう。

メリット3 許認可を容易に取得できる

業種によっては、営業するために許認可が必要なものもあります。
許認可が必要な業種はおよそ1,000種類以上にも及ぶとされていますが、ものによっては新規で取得することが困難な許認可も少なくありません。

あらかじめ許認可を持っている休眠会社を買取すれば、それを引き継ぐことが可能です。
新たに申請する手間がからないのは大きなメリットとなります。

メリット4 会社設立の手続きが不要

新規での会社設立には、さまざまな手続きが必要です。
オフィスとなる物件の確保から契約、定款の作成や認証、登記申請も必要ですし、税務署や市町村に多くの書類を提出しなければなりません。

休眠会社を買取すれば、これら会社設立にかかる手続きを大幅に省略することができます。

休眠会社をM&Aで買取するデメリット

休眠会社をM&Aで買取するデメリット

メリットがある反面、休眠会社をM&Aで買取するとデメリットもあります。確認しておきましょう。

休眠会社を買取するデメリットは以下のとおりです。

  • 予想外の債務が見つかる可能性がある
  • 人材・取引先は獲得しづらい
  • 資金調達が難しい

それぞれくわしく見ていきましょう。

デメリット1 予想外の債務が見つかる可能性がある

どのM&Aにも、貸借対照表に計上されていない債務が見つかるリスクがあります。
こうした計上されていない債務を「簿外債務」と言います。休眠会社を買取する場合も、簿外債務が後から発覚する可能性があります。

簿外債務には、表明保証条項を取り交わして対策すると良いでしょう。
表明保証条項とは、売り手側が提示した内容が正しいものであることを保証する条項です。

また債務がなくても、金融機関のブラックリストに載っている場合も想定されます。休眠会社を買取する前にはデューデリジェンス(Due Diligence:買収監査)により入念なチェックが必要です。

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デメリット2 人材・取引先は獲得しづらい

通常、M&Aでは売り手側が持つ人材や取引先をそのまま引き継げることもメリットです。
しかし休眠会社を買取する場合、人材・取引先の獲得は難しいでしょう。
なにせ長い間企業活動していないのですから、在籍している従業員はいないことが多いからです。当然、継続している取引にも期待できません。

本来のM&Aのメリットである人材と取引先の獲得が難しいのは、デメリットの1つとして認識しておくべきです。
人材や取引先を一から獲得していかなければいけません。

デメリット3 資金調達が難しい

休眠会社を買取するデメリットとして、資金調達が難しいこともあげられます。

異なる事業に進出する第二創業での融資では、2期分の決算の提示を求められる傾向にあります。
確定申告していない休眠会社も多くありますから、融資に必要な決算書が揃わない可能性も考えられます。

融資を検討している場合は、決算や納税をしっかり行っている休眠会社を選ぶようにしましょう。

休眠会社をM&Aで買取するときの税金

休眠会社をM&Aで買取するときの税金

休眠会社をM&Aで買取した場合の税金について説明します。注意が必要な「繰越欠損金」と「法人地方税の均等割」についてくわしく見ていきましょう。

繰越欠損金

繰越欠損金とは、欠損金(税務上の赤字)を翌事業年度以降の黒字から控除できる制度のことです。
休眠会社を買取する場合、原則として繰越欠損金を買い手が引き継ぐことはできません。
(ただし、買取した休眠会社の事業をそのまま継続する場合、繰越欠損金を引き継げるケースもあります)

休眠会社を買取する場合は、この繰越欠損金は引き継げないという点に注意してください。

法人住民税の均等割

法人住民税の均等割についても注意しましょう。

法人住民税の均等割は、休眠会社だと免除される場合があります。
しかし、免除を受けるには市区町村で手続きが必要ですし、手続きしたとしても全額免除にならない可能性もあります。この点には注意しましょう。

まとめ

休眠会社をM&Aで買取するメリット・デメリットは?税金についても確認

今回は、休眠会社をM&Aで買取するときのメリットや注意点を見てきました。
休眠会社を買取する場合、財務状況をしっかり確認することも重要ですが、知見やノウハウの豊富な専門家に相談すると安心でしょう。

ただし、専門家と言っても得意分野はさまざまなので依頼するときは注意が必要です。
当サイトを運営する「税理士法人Bricks&UK」では税理士・社労士・司法書士・行政書士などの専門家がチームを組み連携し合ってM&Aをサポートします。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

アドバイザーの永井

この記事の監修M&Aアドバイザー 永井 拓海

税理士法人Bricks&UKにて、会社設立や創業融資などスタートアップの支援を数多く担当。
M&A Stationでは総合的なM&Aのサポートを担当。M&A戦略の策定から資金調達までクライアントのニーズに広く対応する。

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デューデリは「依頼先探し」が重要です

M&Aを成功させるための要点のひとつに「デューデリジェンス」が挙げられます。
買収対象企業の分析・評価のために実行されるもので、ここでリスクを見落としてしまうと後々取り返しがつかない危険性があります。

ただ、調査項目は多岐に渡り高度な専門知識が必要とされ、いざ必要な場面でどこに依頼すればいいか分からない方も少なくないでしょう。
多くのM&A仲介会社の業務範囲は、文字どおり「仲介」まで。デューデリジェンスに関しては、改めて依頼先を探さなければいけません。

M&A Stationを運営する「税理士法人Bricks&UK」では、グループとして税理士、社会保険労務士、司法書士、M&Aアドバイザーが在籍しており、本来であれば個別に依頼が必要なデューデリジェンスもワンストップ対応が可能です。

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