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【M&A成功のカギ】トップ面談とは?目的・注意点など

M&Aにおいてとても重要なプロセスとして「トップ面談」があります。

トップ面談の結果がM&Aの成否そのものを左右することもあります。
M&Aを成功させるためにはトップ面談の目的や意義を理解し、しっかりと準備しなければなりません。

本記事ではトップ面談の目的・意義やトップ面談に向けてやっておくべき事前準備、意識しておく注意点、そしてトップ面談後の流れについて詳しく解説します。
M&Aを検討している方、トップ面談を控えている方はぜひ参考にして、自社のM&A成功にお役立てください。

トップ面談の目的・意義

交渉相手を絞り込んだ後に行われるトップ面談は、単純な顔合わせの場には留まりません。
まずはトップ面談の目的や意義について理解しましょう。

売り手と買い手が双方を理解するため

トップ面談は、売り手と買い手の経営陣が顔を合わせて話し合いをし、双方の理解を深めて相性を確認する意見交換の場です。
ただし顔合わせとはいっても、単に形式的なあいさつを交わす場ではありません。

トップ面談はよく「お見合い」に例えられますが、直に顔を合わせることで紙面上では伝わらない人柄や価値観、経営者の資質などを理解するためのプロセスと言えます。
特に中小企業では経営者の一存でM&Aが決まることも少なくなく、経営者の気持ちの面での納得感がM&Aの成否に強く影響します。

このようにトップ面談がM&Aの結果を左右することもあるため、決してトップ面談をただの顔合わせと考え軽視してはいけません。

経営者の経営理念、企業文化などを確認するため

トップ面談では会社のトップから直接話を聞けるため、公表されているデータだけではわからないリアルな内部事情を知ることができます。

M&Aによるビジネス上のメリットについては、外部から知り得る情報である程度は検証できるかもしれません。
しかし経営理念や企業文化といった数値に表れにくい部分に関しては、経営者の生の声を聞くことで初めて実感が持てるのです。

どんなにビジネス上のメリットがあっても、企業理念などの根本的な部分が合わなければ両社の社員同士はうまく交じり合わず、M&Aが成功する可能性は低いでしょう。
そういった事態に陥らないためにも、トップ面談の機会を利用して直に顔を合わせて言葉を交わし、お互いのことを理解することが大事なのです。

買い手側が自己アピールするため

売り手側にとってのトップ面談は、自社の企業価値を買い手側にアピールする絶好の機会です。

買い手側はトップ面談時点では、まだどの企業を買収するか検討段階ということも少なくありません。
そのため複数の企業とトップ面談をすることで、その中から最適な一社を選びM&Aを実行するということも多いのです。

つまりトップ面談は売り手側からみれば採用面接のような一面もあり、自社を選んでもらうためにはトップ面談の場で積極的に売り込みをしなければなりません。

このように売り手側にとってのトップ面談は、M&Aの対象に自社を選んでもらう自己アピールの場とも言えるのです。

トップ面談のタイミング

【M&A成功のカギ】トップ面談とは?目的・注意点など

トップ面談のタイミングに特に決まりはありませんが、M&Aのプロセスでも序盤に行われるのが一般的です。

先ほども説明した通り、トップ面談の段階では買い手側はM&Aの対象を一社に絞っているとは限りません。
そのためトップ面談によって買収に値する会社であるかどうかを見極めるために、比較的序盤のうちにトップ面談をしておくことが多いのです。

トップ面談の出席者は?場所はどこで行う?

トップ面談の出席者や、トップ面談が行われる場所について解説します。

これらは一概に決まっているものではありませんが、一般的にはどのような出席者がいるのか、どこで行われるのかということを押さえておきましょう。

売り手側の出席者

売り手側の場合、経営者やオーナーといった幹部・経営陣のほか、意思決定権者である株主が出席します。
株主が複数いる大企業などの場合であれば、筆頭株主など一部の意思決定権者のみが出席するという場合もあるでしょう。

買い手側の出席者

意思決定権者である経営陣やM&A担当責任者のほか、必要に応じて各部門の責任者も同席することがありますが、基本的には売り手の出席者と変わりありません。
ちなみに売り手側に比べて買い手側の出席者が多いときは、圧迫感を与えないよう人数調整をすることもあります。

トップ面談の場所

トップ面談は、売り手側企業の雰囲気を買い手側に知ってもらうため、売り手側の社内で行うというのが一般的です。
もっとも秘密保持の問題もあるので仲介会社のオフィスやホテルの会議室、金融機関の応接室などが使用されることもあります。

またトップ面談を複数回行うのであれば、1回目は売り手側のオフィスで2回目は買い手側のオフィスといったように、工場視察などの都合に合わせて適宜開催場所を調整するということもあるでしょう。

トップ面談に向けてやっておくべき事前準備

トップ面談を充実した内容にするために、準備は疎かにせずしっかり進めなければなりません。
準備不足でトップ面談に臨むとM&Aそのものが失敗する原因にもなります。

ここではトップ面談に向けてやっておくべき事前準備として、重要なものを3つ紹介します。

M&Aの目的・目指す姿をはっきりしておく

M&Aによって二つの会社が一つになるわけなので、M&Aを成功させるためにはお互いの将来の展望が一致しなければなりません。
そのためにはトップ面談の時点で、M&Aの目的や目指す姿をはっきりさせておくということが重要です。

例えば自社がM&Aに何を求めているのか、相手企業にどのようなことを期待しているのか、M&A実施後の事業にどのような将来像を描いているのかといったことです。

以上のようなことをあらかじめ考えておき、トップ面談の場で相手に伝えられるよう明確にしておきましょう。

相手先のリサーチと質問事項をまとめておく

相手先のビジネスや業績について、きちんとリサーチしておくことはM&Aの基本です。
有価証券報告書や決算資料に加え、日経新聞やGoogleニュースなどの情報、さらに求人サイトや経営者のブログなどの情報源が活用できます。
さまざまなツールを活用して多角的にみることで、その会社の色々な面が見えてくるでしょう。

またトップ面談の場でリサーチ結果を最大限に活かすためには、リサーチした情報をもとに質問事項をまとめ、相手に聞きたいことを事前に整理しておくことも大事でしょう。

自社情報を整理し、説明できるようにしておく

自分が相手企業のことを詳しく知りたいのと同じように、相手側もあなたの会社のことを知りたいと考えています。
そのため相手側が知りたいであろう情報はあらかじめ整理しておき、簡潔にわかりやすく説明できるよう準備しておきましょう。

トップ面談のような場は数少ない貴重な機会なので、密度の高い意見交換をするため事前に情報を整理しておくことは重要です。

また自社のことをきちんと説明できないというのは、経営者の資質としてもマイナスの印象を与えかねません。
そのためこういった観点からみても、自社情報を整理して説明できるようにしておくことには意義があるのです。

譲渡後に想定されるシナジー効果を明確化しておく

買い手側企業は、M&Aによって生まれるシナジー効果に期待しているという部分も大きいでしょう。
そこで譲渡後に想定されるシナジー効果を明確化することで、双方にとって有益なM&Aであることをお互い認識できるのです。

特に異業種同士のM&Aの場合、相手方が想定していなかったシナジー効果を提案できればより期待度は高まります。
逆にあらかじめ将来のビジョンやシナジー効果を明確にしていないと、的外れな議論になってしまうおそれがあるので注意しましょう。

売り手側が意識しておく注意点

【M&A成功のカギ】トップ面談とは?目的・注意点など

トップ面談に臨むにあたって、売り手側としては以下のような点に注意してください。

正直に正確な情報を提供する

トップ面談に限らずM&Aのプロセス全般に関していえることですが、情報を意図的に隠したり真実に反する情報を与えたりすることは厳禁です。

まず、伝えた情報と相手側が事前に調べた情報にあまりにも乖離があれば、相手側に不信感を与える恐れがあります。
もしM&Aの進行中に事実に反する情報を伝えたことが発覚した場合、相手側からの信頼を大きく損なうでしょう。

さらに発覚が契約成立後であれば、訴訟問題に発展する可能性もあります。
M&Aは長期的な関係であり、その場しのぎの嘘はお互いにとって不利益しか生まないので、トップ面談でも必ず誠実な態度で正確な情報を提供するようにしてください。

相互理解のため前向きな姿勢を心掛ける

それぞれが自分の利益ばかり考えて面談しても、M&Aは決してうまくはいきません。
トップ面談では自社の都合を押し付けるのではなく、相手側のメリットにも配慮して建設的な議論を心掛けましょう。

M&Aはもともと別々の会社が一つになるものであり、企業文化の違いや意見が合わない部分があるのは当然です。
そんななかで頭から相手を否定したり後ろ向きな返答ばかりしては話し合いにならず、相互理解が深まりません。

一度のトップ面談で話がまとまらなければ、二回目以降の面談を設定することもできるので、議論が対立しそうなことは無理に話を詰めなくてもよいでしょう。

アドバイザーがついている場合、直接の条件交渉は控える

条件交渉はお互いの利害が対立しやすいシビアな内容であるため、いきなり直接交渉をしても話が円滑に進む可能性は低いです。
M&Aアドバイザーがついているならトップ面談後にアドバイザーに条件を伝え、交渉を依頼するようにしてください。
専門家であるアドバイザーを通して両者の利害をうまく調整しながら進めていけば、交渉がうまくいく確率は上がります。

トップ面談はあくまで相互理解を深めることが目的で、具体的な条件交渉をするのには適していません
お互いの印象が悪くなるおそれがある直接の条件交渉は、トップ面談の場では控えるべきです。

買い手側が意識しておく注意点

【M&A成功のカギ】トップ面談とは?目的・注意点など

対して、買い手側がトップ面談で意識しておくべき注意点は以下になります。
誠実な対応で、互いに有意義な時間になるよう心がけましょう。

将来のビジョンや期待するシナジー効果を明確にしておく

売り手側はトップ面談のなかで、買い手に自分の会社と社員を任せることができるのか、買収後も会社が成長していくことができるのかどうかを判断します。
そのため、売り手側はM&A後の将来ビジョンやシナジー効果を明確にし、売り手を安心させることが大事です。

将来のビジョンが共有できれば売り手としてもM&Aに対して前向きになれるし、具体的なシナジー効果がイメージできると今後の成長にも期待できます。
買い手側はこのような売り手側の思いに配慮して、トップ面談の場できちんと説明すれば、それ以降のプロセスも円滑に進めることができるのです。

実施後の具体的な経営計画を決めておく

将来のビジョンやシナジー効果と同じく、売り手側はM&A実施後の具体的な経営計画により、自社の事業や社員を任せることができるかどうかを判断します。

そのため売り手が安心して会社を任せる決断ができるよう、実施後の具体的な経営計画を決めておきましょう。
経営計画は具体的な方が売り手もより納得しやすいので、できる限り詳細な部分まで作り込んでおくと良いです。

相手を尊重し、良好な関係構築に努める

買い手側はどうしても優位な立場にあるため、売り手側に対して高圧的な態度で接して相手に不快感を与えることがあります。

売り手にとってのM&Aは、これまで自分たちが育ててきた事業や社員を他人に譲るという重大な決断です。
どんなに数字の上でのメリットが期待できても、気持ちの上での納得感が得られなければ最終的な決断には至らないでしょう。

M&Aは双方にメリットがあって初めて成立するものであり、買い手側の都合だけで成功させることはできません。
トップ面談ではそのことを踏まえ、相手を尊重して良好な関係を構築することに努めてください。

トップ面談からその後の流れ

トップ面談後は、おおまかに以下のような流れで契約の締結まで進んでいきます。

STEP.1 トップ面談当日
STEP.2 工場・事務所の視察
STEP.3 譲渡価額の条件交渉
STEP.4 基本合意の締結
STEP.5 デューデリジェンス(買収監査)
STEP.6 最終契約の締結

以上6つのステップにつき、それぞれ順番に解説していきます。

STEP.1 トップ面談当日

まずは互いの日程を調整しトップ面談を行います。
当日の流れに関してはこれまで説明してきた通りですが、事前準備にしたがい用意した質問をしつつ相手の質問にもきちんと答え、相互理解を深めていきましょう。

トップ面談の時点ではまだ経営理念や企業文化、M&Aのシナジー効果等を話し合うのにとどめ、具体的な条件交渉などは行いません。

STEP.2 工場・事務所の視察

売り手企業が工場・事務所・店舗などを持っている場合には、トップ面談後に視察も行う場合もあります。
視察によって現場をみることで事業の実体を知り、より相手方企業に対する理解を深めることができるのです。

ただし、この段階では従業員にM&Aを検討していることを知られないために、従業員に不審に思われないよう違和感のない視察理由を説明するなど注意が必要です。

STEP.3 譲渡価額の条件交渉

トップ面談の後、実際に譲渡価額や雇用条件などに関する交渉を行い、M&Aに向けてより具体的な内容を決めていきます。
条件交渉は、売り手側からの意向表明書によって条件提示をするという方法が一般的です。

ただしM&Aは目的によってM&Aの手法や相手先企業の決定、交渉方法なども異なるため、どのような目的でM&Aを行うのか、売り手企業・買い手候補企業の認識を合わせておく必要があるでしょう。

STEP.4 基本合意の締結

基本合意契約はM&Aの最終契約に先立って取り交わされる契約であり、基本合意契約書にはM&Aの手法や対象事業、M&Aの効力発生日などを記載します。
買い手側は意向表明書の内容を受け、売り手側と話し合って条件を調整しながら基本合意契約を締結します。

基本合意契約によって買い手側・売り手側双方の認識を合わせることで、その後のM&Aプロセスを円滑に進めることができるのです。

STEP.5 デューデリジェンス(買収監査)

デューデリジェンスとは、企業の財務・法務・税務などを調査することです。
M&Aにおいては売り手企業が買収にふさわしい企業であるかどうかを判断するため、買い手企業によるデューデリジェンスは必ず行われるプロセスです。

正確なデューデリジェンスには高度な専門知識が必要なので、一般的には会計士・税理士・弁護士といった専門家に依頼して行われることが多いです。

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STEP.6 最終契約の締結

デューデリジェンスでも特に問題なしと判断されたら、最終契約に向けてさらに交渉を詰めていきます。

最終契約前には譲渡価格や雇用条件に加え、M&Aのスキームなどについても具体化し、合意に達したら最終契約書を締結するのです。
契約を締結して最終契約書を作成すれば、ようやくM&Aが成立します。

契約成立後は従業員や取引先、金融機関などに対しても適時情報開示をしていくことになるので、混乱がないようどういった手順で開示を進めていくかもあらかじめ考えておいてください。

まとめ

【M&A成功のカギ】トップ面談とは?目的・注意点など

トップ面談は買い手側・売り手側が双方の理解を深め、M&Aを成功に導くとても重要なプロセスです。
事前に相手企業をしっかりリサーチすると同時に、自社の情報やM&Aのシナジー効果も整理しておき、当日有意義な話し合いができるようしっかり準備しましょう。

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中小企業のM&Aでは、多くは「株式譲渡」または「事業譲渡」により実施されます。
M&Aで必要な資金というと、株式・事業譲渡の対価のための資金が頭に浮かびますが、実際にはM&Aを行う際に必要な資金は多岐に渡ります。

【M&Aで必要になる費用】

  • 買収に必要な費用
  • 税金支払いのための費用
  • 仲介手数料・アドバイザリー費用
  • 登記費用
  • 株券発行費用

買い手側はもちろん、意外に見落としがちですが売り手側に費用が発生する場合もあります。

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