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実例に学ぶ!M&Aの失敗要因とその対策

事業拡大や事業承継の手段として用いられるM&Aですが、交渉過程で失敗しM&A成約にたどり着けないケースも多々あります。
また、M&Aの成約までこぎ着けても、思った通りのシナジー効果が得られず、その後の成果は振るわなかったという例が少なくありません。

本記事では、そのようなM&Aの失敗がどうして起きてしまうのかを分析し、その対策について考えます。

知っていますか?M&Aは失敗率が高い実情

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2021(令和3)年8月に発表した資料「2020年M&Aの実態調査」によると、M&Aに成功したとする企業が66.5%、失敗したとする企業が33.5%という結果でした(国内M&Aと海外M&Aの合算値)。

これは、単体売上高300億円以上の企業277社に対する調査結果ですが、大企業でも3社に1社はM&Aに失敗していることになります。
なお、このような実態調査が行われていない中小企業のM&Aの場合、その失敗率はさらに高いというのが通説です。

M&Aの買い手側としては、手間と時間とコストをかけて実施したM&Aが失敗してしまうのは、極力、避けたいのが本音でしょう。
そこで、M&A失敗の実態について、次章より分析していきます。

M&Aの失敗要因

どのような理由でM&Aが失敗に至ってしまったのか、M&A失敗要因について見てみましょう。

買い手側のM&A失敗要因

失敗要因.1 ゴールが不明確

特にM&A経験が浅い買い手側に多いのが、M&A後の明確な経営戦略を持たずにM&Aを実施してしまっているケースです。

これは、言わば、買収することを目的にしてしまっていると考えられます。
そのため、M&A後の買収先の経営は、そのまま従来の経営陣に任せたままという放置状態になってしまうのです。

M&A後、どのように経営を統合し、どういうゴールを目指すのかなどの経営戦略・目的を定め、それを買収先と共有しないと、シナジー効果の創出には至りません。

失敗要因.2 デューデリジェンス(DD)不足

M&Aでは、デューデリジェンス(売り手側に行う精密調査)は必須です。
一般にデューデリジェンスは、会計・財務・税務・法務・労務・ITなど経営に関わるさまざまな分野について、それぞれの専門家の手により緻密に調べます。

しかし、特に中小企業のM&Aでは、デューデリジェンスに要する時間とコストを節約したいという考えが働き、デューデリジェンスを省略したり、簡易な調査で済ませたりするケースがあるのです。

これでは、簿外債務の見落としでM&A後の経営にダメージを受けたり、あいまいな買収価額設定で適切なM&A取引とならなかったりなど、M&A失敗の可能性が高まります。

売り手側のM&A失敗要因

失敗要因.1 手続き上の不備

売り手側のM&A失敗とは、M&Aが成約できず破談になることを意味します。
中小企業のM&A失敗で目立つのは、必要とされる手続きに対応しきれないことです。

まず、一部株券の所在が不明で手続きが進められなくなることがあります(株券発行会社の場合)。
同様に、正確な株主名簿が作成されていない場合もNGです。

また、デューデリジェンスで求められる各種資料(試算表、総勘定元帳、株主総会議事録、取締役会議事録、不動産権利書、取引先との契約書など)がきちんと用意できないと、交渉が打ち切られてしまうかもしれません。

失敗要因.2 事前準備の不足

役員など会社経営上、キーとなる人物と、株主が複数いる場合にはそれらも含め、全員のM&Aに対する意思統一が必要です。

M&Aに反対する株主や役員がいては、M&A交渉は混乱をきたし頓挫してしまうでしょう。
M&Aの交渉が始まってからは、情報漏えいに注意が必要です。

M&Aは重大な経営戦略であり秘密裏に進めるものですから、その情報を漏らすような会社は交渉相手から外されます。

また、売り手側自身にとっても、M&A交渉中であることが外部に知れると、不安視した取引先に契約を打ち切られたり、従業員が離職したりなどが起き、M&A失敗に直結するでしょう。

実際のM&Aの失敗事例

実例に学ぶ!M&Aの失敗要因とその対策

大手企業による実際のM&Aの失敗事例3件を掲示します。
どのような点に失敗の要因があったのか、見てみましょう。

  • 東芝によるアメリカ原発大手ウェスチングハウスの買収:買収先の収益悪化
  • 第一三共によるインド後発医薬品メーカーのランバクシー・ラボラトリーズの買収:デューデリジェンス不足
  • アメリカ小売大手ウォルマートによる西友の買収:業績改善の失敗

東芝によるアメリカ原発大手ウェスチングハウスの買収

これは、買収先が想定外の業績悪化に陥り、それをきっかけとして買収側が大ダメージを負った失敗事例です。

2006(平成18)年、東芝は、アメリカの原子力発電所会社大手であるウェスチングハウスを約6,600億円で買収しています。
その後、2011(平成23)年に日本で起こった東日本大震災で、福島電子力発電所も被災しました。

この結果、原子力発電に対する安全性の危惧が世界的潮流となり、原子力事業は大きく後退する事態になります。
そのあおりを受けたウェスチングハウスの業績は急激に悪化。
親会社である東芝は、2016(平成28)年3月期に、のれん代2,600億円の減損損失を計上することになりました。

さらに追い打ちをかけたのが、6,253億円にも及ぶウェスチングハウスの簿外債務の発覚です。
ウェスチングハウスの損失額は、全体としては7,125億円まで膨らみ、このダメージはそのまま東芝を直撃しました。

その後、東芝は自らの不正会計発覚に至り、東証二部に降格する事態になったのです。

自然災害は予想できないものですが、東芝のリスクヘッジが甘かったのは事実でしょう。
また、買収時のデューデリジェンスを徹底しておけば、簿外債務の存在をつかめていたはずです。

第一三共によるインド後発医薬品メーカーのランバクシー・ラボラトリーズの買収

これは、海外企業とのM&A(クロスボーダーM&A)におけるデューデリジェンス不足が明確な失敗事例です。

2008(平成20)年、第一三共は、インドの後発医薬品メーカーであるランバクシー・ラボラトリーズの株式63.4%をTOB(Take-Over Bid=株式公開買い付け)によって約4,900億円で取得しました。

しかし、同年、FDA(Food and Drug Administration=アメリカ食品医薬品局)の調査により、ランバクシー・ラボラトリーズのずさんな生産管理体制が明るみに出ます。
その結果、30種以上の医薬品がアメリカへの輸出禁止措置を受けてしまいました。

ランバクシー・ラボラトリーズにとってアメリカ市場は売上高の3割を占めており、株価は大暴落します。
第一三共もランバクシー・ラボラトリーズ株の評価損として3,595億円を計上する羽目となり、2009(平成21)年3月期連結決算は2,154億円の赤字に陥ってしまいました。

最終的に2014(平成26)年には、所有するランバクシー・ラボラトリーズ株を全てを売却し、後発医薬品事業から撤退しています。

第一三共の失敗の原因は、デューデリジェンスで生産管理体制の不備を見つけられなかったことです。さらには、TOBでの高額な株式買取価額が適正であったかどうか、バリュエーション(企業価値評価)にも疑問の余地があります。

アメリカ小売大手ウォルマートによる西友の買収

これは、M&A後に買収先の経営改善に至らなかった失敗事例です。

2002(平成14)年、アメリカの小売り大手ウォルマートは、その当時、業績不振にあえいでいた西友と資本提携を結びました(第三者割当増資による西友の株式6.1%の取得)。
西友の業績改善が思うように進まずにいた2005(平成17)年、ウォルマートは追加の増資を引き受けた結果、西友の過半数の株式を取得し、西友はウォルマートの子会社となったのです。

さらにウォルマートは2007(平成19)年にTOBを実施し、2008(平成20)年、西友はウォルマートの完全子会社となりました。
この間、ウォルマートによる西友の業績改善策は、さまざまなものが実施されたにもかかわらず、功を奏したものがなかったのです。

そして、2020(令和2)年、ウォルマートはついに西友からの撤退を決め、所有する株式のうち65%をアメリカのファンド大手であるKKRに、20%を楽天グループに、それぞれ売却しました。

この事例は、アメリカの小売り大手の手法が日本で通用しなかったことを示す失敗例ですが、もう1つの側面もあります。
それは、ウォルマートが西友の「買収に費やした金額」の問題です。

ウォルマートは最終的に2,470億円を投資していますが、実は2002年の段階で完全子会社化していれば1,000億円程度で済んだと言われています。

失敗しないための対策は?

これからの会社経営において、M&Aは重要な経営戦略となり得るものです。

失敗を恐れてM&Aを断念せず、過去の失敗例に学び、以下のような対策を取ることでM&Aの成功確度は高められます。

信頼できる仲介会社を利用する

M&Aの各プロセスでは、専門的な知識や経験は欠かせません。
したがって、M&A仲介会社などの専門家のサポートは必須です。

昨今はM&Aの活性化に伴ってM&A仲介会社の数も急増しました。
また、M&Aサポートを請け負う士業事務所や経営コンサルタントも増えています。
それらの中から、自社に合っていて信頼できる専門家を選びましょう。

おすすめは、総合的にM&Aをサポートできる体制を取っている専門家です。
いずれにしても、無料相談などを活用し、直接、アドバイザーと話をして決めるのがいいでしょう。

経済動向なども踏まえて戦略や計画を綿密に練る

M&Aの買い手側であればM&A実施によって何を目指すのか、まず、M&Aの目的を明確化してください。
経営者として、自社のビジネス市場の今後も見据え、M&A後に目指すものを定めましょう。

M&Aの目的が定まれば、どのようなM&A戦略を取るべきかM&Aアドバイザーに相談します。
信頼できる仲介会社のアドバイザーであれば、M&A計画の策定にも力になってくれるでしょう。

徹底的なデューデリジェンスでリスクを回避

中小企業のM&Aでは、時間と費用がかかるデューデリジェンスを省略したり簡略化したりしてしまう傾向があります。
しかし、過去の失敗事例が示すように、デューデリジェンスの不徹底は買い手側に多大なる不利益をもたらす可能性があるものです。

仮にコストに限度があるのであれば、サポートを依頼するM&A仲介会社によく相談し、必要最低限の内容に絞りつつ、必ずデューデリジェンスを実施しましょう。

成立後のPMIは入念に実施する

PMI(M&A後の経営統合作業)は、M&Aの買い手側にとって、M&Aの成否を分ける重要なものです。
効果的なPMIを実施するためには、M&A成約後からの準備では遅過ぎます。

M&A成約の見込みがつく、基本合意書の締結後、つまりはデューデリジェンスと並行してPMIの内容計画に着手するのが望ましいでしょう。

PMIでキーポイントとなるのは、企業文化の融合・従業員の一体感の醸成と、業務・人事・管理などの各システム・組織の統合です。
M&A仲介会社に相談し、サポートを受けて十分なPMI計画を策定しましょう。

まとめ~失敗する前にM&A Stationへ~

実例に学ぶ!M&Aの失敗要因とその対策

失敗率が決して低くはないM&Aですが、過去の失敗事例に学ぶことで対策は立てられます。
成功すれば会社の業績を飛躍的に伸ばせるのがM&Aですから、失敗しない対策を取り、積極的に実施したいものです。

ポイントとなるのは、M&A成功を助ける存在となる、信頼できる仲介会社選びとなります。

M&A Stationは豊富な知識と経験を有するM&Aアドバイザーだけでなく、公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士などが数多く在籍しています。
国の認定を受けた認定経営革新等支援機関である「税理士法人Bricks&UK」として、税務会計、人事労務、企業法務、海外進出、経営コンサルティングなど、さまざまな分野のプロフェッショナル・サービスが提供可能です。

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