会社を廃業するオーナーが考えるべき4つのこと
2021.6.25
2021.6.25
経営者が高齢になった場合、後継者に事業を引き継ぐという選択肢が一般的なものです。
しかし、さまざまな事情から後継者が見つからず、やむなく廃業を選択することも考えられます。
本記事では廃業を決意した場合、会社オーナーとして何を準備しておいた方が良いのかについて解説したいと思います。
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事業の先行きが不安な場合でも、経営状況や課題の把握(見える化)、本業強化などの経営改善(磨き上げ)を行うことで企業価値を高め、事業承継につなげていくのが理想ですが、事業に将来性がない場合や財務状況が悪化している場合などに廃業を決定しなければならないこともあります。
中小企業庁が実施したアンケートによると、中小企業の経営者が廃業時に課題となった事項として「取引先との関係の清算」、「事業資産の売却」、「従業員の雇用先の確保」、「債務整理」などが上位に挙げられています。
いずれの課題も対処するためには一定の期間を要するほか、コストの負担も想定しておかなければなりません。
そのため、廃業を決定した際には経営余力のあるうちに早めの対応が必要となります。
以下では、上述した4つの課題における対応方法を確認してみましょう。
取引先に迷惑を掛けないように、廃業に向けて徐々に事業規模を縮小していくことが考えられます。
そのためには廃業のための計画を策定することが有用です。
また、買掛金の決済などに必要な資金調達を支援する制度である「自主廃業支援保証」を活用することができます。
なお、後述するような法的整理を行う場合には取引先に対して廃業を伝達するタイミングについて弁護士などの専門家に相談することが適切です。
※自主廃業支援保証:事業譲渡等による事業継続が見込めず、自主的な廃業を選択する中小企業者に対して、必要となる資金調達の支援をする保証協会の制度。
事業用の資産には債権、棚卸資産、固定資産などが含まれます。
債権やすぐに販売できる棚卸資産は流動性(換金可能性)が高いと言えますが、すぐに販売できない棚卸資産や固定資産の売却には相応の期間がかかることを想定しておく必要があります。
固定資産の中でも、不動産や車両など中古流通市場のある資産は比較的売却しやすいといえますが、そうでない資産は売却収入より解体撤去費用が上回る場合もあります。
経営者であれば「従業員を路頭に迷わせたくない」という思いを持っていることでしょう。
従業員が新しい仕事を見つけられるように、時間的余裕と雇用先確保のための支援を行う必要性が考えられます。
また、会社の倒産を理由に離職を余儀なくされた労働者(雇用保険の被保険者)は基本手当 を受給することができるので、そうした手続の周知をすることも必要です。
廃業するためのステップとしては、大きく分けて解散の登記とその後の清算手続があります。
債務超過のおそれがある場合には裁判所の監督のもと特別清算の手続が必要になります。
これらの手続では、専門的な知識が必要となるため弁護士などに相談することが一般的です。
また、債権者の保護だけでなく、廃業後における経営者自身の生活資金の確保も大切です。
例えば、小規模企業共済 に加入している場合は会社の解散などを条件に共済金を受け取ることができるので、こうした制度の活用も検討すると良いでしょう。
以上のように、廃業するためにはそれぞれの課題について総合的な対応が必要となります。
対応を計画的に進めるためにも専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
例えば、公的な機関では中小企業庁が各都道府県に設置する「よろず支援拠点」や商工会議所の「経営安定特別相談室」などがあります。
また、民間では相談窓口を設けている金融機関などに問い合わせるのも良いでしょう。
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